LTX 1をComfyUIで動かすノード構成の全体像|スクリーンショットで見る基本ワークフロー

LTX 1をComfyUIで動かすノード構成に関する記事のアイキャッチ画像 - LTX 1をComfyUIで動かすノード構成の全体像|スクリーンショットで見る基本ワークフロー ComfyUI

LTX 1の動画生成ComfyUIワークフローは、15ノード程度でシンプルに組める。本記事ではノード構成を画面キャプチャ中心で解説する。

シリーズの最終目標は8秒・4K(3840×2160)・60fps・H264 mp4のAdobe Stock投稿用ファイルを作ること。本記事は「生成+60fps補間 → 1024×576・60fps・約8秒の中間mp4」までを扱う。4K化は記事3で解説する。

LTX Videoモデルそのものの概要・ライセンス・入門的な使い方の基礎は、姉妹サイト「AIツール図鑑」のLTX Video入門記事でまとめている。

この記事で得られるもの

  • LTX 1 + RIFE VFI + H264出力のComfyUIノード構成の全体像(スクリーンショット)
  • 各ノードの役割と設定値の目安
  • モデルファイルの置き場所と入手先のガイドライン
  • 手動で組む際につまずきやすいポイント
  • 前記事で実測した生成時間・VRAM消費と同じ構成での組み方

前提となる記事

本記事はComfyUI上で LTX 1 を実際に動かすためのノード構成解説で、実測値・採用率・GPU選定は前記事で扱っている。

前記事と同じワークフロー構成を本記事で視覚的に解説する形。生成時間の目安(RTX 5080で約5分/本)は前記事を参照いただきたい。

必要なモデルファイル一覧

ComfyUIのmodelsディレクトリに以下を配置する。

ファイル 配置先 サイズ 入手先
ltx-video-2b-v0.9.1.safetensors models/checkpoints/ 5.72 GB Lightricks公式Hugging Face
t5xxl_fp16.safetensors models/clip/ 約9.8 GB ComfyUI公式またはStabilityAI Hugging Face
rife49.pth comfyui-frame-interpolation/ckpts/rife/ 数十MB ComfyUI-Frame-Interpolation カスタムノード同梱

合計約16GBのダウンロードが必要。NVMe SSDの空き容量を確認しておくこと。

必要なカスタムノード

ComfyUI Manager(または手動インストール)で以下を導入する。

  • ComfyUI-LTXVideo: LTX動画生成本体(LTXVConditioning, LTXVScheduler等)
  • ComfyUI-Frame-Interpolation: RIFE VFI によるフレーム補間
  • ComfyUI-VideoHelperSuite: 動画mp4書き出し用(VHS_VideoCombine)

ComfyUI本体に加えて上記3つのカスタムノードセットが揃えば、LTX 1のフル生成ワークフローが組める。

ワークフロー全体像(スクリーンショット)

下記は筆者が実際に使用しているLTX 1 + RIFE VFI の基本ワークフロー。ComfyUIノードの接続関係を示している。

LTX 1 ComfyUI ワークフロー全体図
LTX 1 + RIFE VFI の基本ワークフロー(ComfyUI画面)

左から右へ流れる基本形。CLIPとCheckpointをロード→プロンプトをエンコード→空のLatent Videoを作成→スケジューラとサンプラーで生成→VAEデコード→RIFE VFIで補間→H264 mp4書き出し、というComfyUIの定石通りの並びである。

主要ノードの役割と設定値

1. CLIPを読み込む(CLIPLoader)

役割: プロンプトの日本語・英語テキストをAIが扱える数値ベクトルに変換する「翻訳機」のロード。LTX 1はT5-XXLというモデルをテキスト変換に使っている。

以下を設定。

  • clip_name: t5xxl_fp16.safetensors
  • type: ltxv
  • device: default

2. チェックポイントを読み込む(CheckpointLoaderSimple)

役割: 動画生成の「本体」であるモデルファイルを読み込む。ここで指定したモデルが動画の絵柄やモーションを決める。

  • ckpt_name: ltx-video-2b-v0.9.1.safetensors

このノードからは Model / CLIP / VAE の3出力が出るが、CLIPはCLIPLoader側の出力を優先するため、本ワークフローではModel と VAE のみ使う。

3. CLIPテキストエンコード(CLIPTextEncode)× 2本

役割: 実際のプロンプト文字列をCLIPLoaderで用意した「翻訳機」に通して、モデルが理解できる数値に変換する。「こういう映像にしてほしい」というPositive と「こういうのは避けて」というNegative の2本用意するのが基本。

LTX 1向けのプロンプト例は前記事を参照。

4. 空のLTXV潜在ビデオ(EmptyLTXVLatentVideo)

役割: 生成する動画の「空のキャンバス」を用意するノード。ここで解像度・フレーム数・バッチサイズを決める。後段のサンプラーがこのキャンバスにノイズを埋めていき、徐々に動画が浮かび上がる仕組み。

  • width: 1024(例)
  • height: 576(例)
  • length: 241(フレーム数)
  • batch_size: 1

5. モデルサンプリングLTXV(ModelSamplingLTXV)

役割: LTXV専用の「動きの激しさ」の調整ノブ。max_shift と base_shift を上げるとダイナミックな動きが強調され、下げると落ち着いた表現になる。

  • max_shift: 2.15(例)
  • base_shift: 0.62(例)

6. LTXVスケジューラー(LTXVScheduler)

役割: ノイズを何ステップで動画に変えていくかの「段取り表」を作る。ステップ数が多いほど時間はかかるが、細部が丁寧になる。50前後が品質と時間のバランス良い定番値。

  • steps: 50(例)
  • max_shift / base_shift: 上と同値
  • stretch: true
  • terminal: 0.03

7. Kサンプラー選択(KSamplerSelect)

役割: ノイズを除去していく具体的な「計算手順」を選ぶノード。同じプロンプトでも選ぶアルゴリズムで仕上がりのテイストが変わる。LTX 1では euler(シンプル・安定)または dpmpp_2m(やや品質高め)が無難。

8. カスタムサンプラー(SamplerCustom)

役割: ここまで用意してきた全要素(モデル・プロンプト・スケジューラ・サンプラー・キャンバス)を受け取り、実際に動画生成処理を走らせる「生成本体」ノード。CFG値はプロンプトへの忠実度で、高すぎると破綻、低すぎると指示を無視される。3.0前後が無難。

  • cfg: 3.0(例)
  • noise_seed: 任意の整数
  • add_noise: true

9. VAEデコード(VAEDecode)

役割: サンプラーが出力する「内部表現(潜在空間)」を、人間が見られるピクセル画像(フレーム)に変換する翻訳ノード。

通常版(VAEDecode) と タイル分割版(VAEDecodeTiled) の違い

  • VAEDecodeTiled: 画面をタイルに分割して並列処理するため、処理は速く、VRAM消費は少ない。ただしタイル境界でわずかなズレや継ぎ目が出る場合があり、マクロ素材の微細なパターンや光学的な連続性を重視する用途では気になるケースがある。
  • VAEDecode(通常版・no tile): 画面全体を一度にデコードするため、継ぎ目・ズレが出ない代わりに処理は遅く、VRAM消費も大きい

筆者の運用ではストック素材として継ぎ目・ズレを嫌うため、多少時間がかかっても通常版(no tile)のVAEDecodeを使用している。VRAMが足りない場合や速度優先の検証時はVAEDecodeTiledで妥協する形。

10. RIFE VFI(フレーム補間)

役割: LTX 1が出した30fpsの動画を、AIで中間フレームを自動生成して60fpsに倍化するノード。ヌルッとした滑らかな動きになり、ストック素材としての見栄えが大きく上がる。multiplier=2 で「2倍に補間」という意味。

  • ckpt_name: rife49.pth
  • multiplier: 2(倍率、x2で60fps化)
  • fast_mode: false(品質優先)
  • ensemble: true(品質優先)
  • clear_cache_after_n_frames: 100

11. Video Combine(VHS_VideoCombine)

役割: ここまでで生成されたフレーム群を、最終的にmp4動画ファイルにまとめて書き出す出力ノード。内部的にFFmpegを呼び出している。

crf=0 にしておく理由: 本ワークフローの出力はまだ最終ファイルではなく、次段の4Kアップスケール工程に入力する中間ファイル。crf=0(可逆圧縮)で書き出しておくことで、アップスケール時の画質劣化の起点をゼロにできる。Adobe Stockへの最終提出ファイル化(4Kアップスケール)の手順は続編記事で扱う。

  • frame_rate: 60
  • format: video/h264-mp4
  • pix_fmt: yuv420p
  • crf: 0(可逆圧縮)

ComfyUI起動コマンド例

LTX 1 + RIFE VFI のワークフローを回すにあたり、ComfyUI は以下のようなオプション付きで起動すると安定する。Windowsの場合は .bat ファイルに書いておいて起動のたびにダブルクリックするのが楽。

@echo off
setlocal
cd /d "%~dp0"

echo ===================================================
echo      [ ComfyUI for LTX 1 / VAE No-Tile ]
echo ===================================================

set PYTORCH_CUDA_ALLOC_CONF=garbage_collection_threshold:0.8,max_split_size_mb:128

.\python_embeded\python.exe -s ComfyUI\main.py ^
 --windows-standalone-build ^
 --normalvram ^
 --reserve-vram 1.5 ^
 --bf16-unet ^
 --bf16-text-enc ^
 --preview-method none

pause

オプションの意味

  • PYTORCH_CUDA_ALLOC_CONF: VRAM断片化を抑制する設定。長時間稼働で断片化によるOOMが減る
  • --normalvram: 16GB VRAM想定のメモリ管理モード(未指定だと別モードになりOOMしやすい)
  • --reserve-vram 1.5: 他のアプリ用にVRAMを1.5GB残しておく設定
  • --bf16-unet / --bf16-text-enc: モデル本体とテキストエンコーダをbf16精度で動かす(VRAM節約+ほぼ無損失)
  • --preview-method none: ComfyUI画面の生成中プレビューを無効化(プレビュー用のVRAMを節約)

出力先ディレクトリ・ポート番号・使用GPUなどの環境依存オプションは各自の環境に合わせて追加する。複数GPU構成の場合は --cuda-device N--port XXXX を各batで分ければ、ComfyUIを複数同時起動できる。

つまずきやすいポイント

1. CLIP typeを「ltxv」に設定し忘れる

CLIPLoaderの type が別のモードになっているとエンコードが意味をなさず、生成結果が崩れる。必ず ltxv を選ぶこと。

2. RIFE VFI の ckpt ファイルがない

ComfyUI-Frame-Interpolation をインストールしただけでは rife49.pth が自動取得されないケースがある。手動で custom_nodes/comfyui-frame-interpolation/ckpts/rife/rife49.pth に配置する必要がある。

3. VRAM 16GBで –normalvram 未指定

ComfyUI起動時に --normalvram オプションを付けないと、一部のメモリ管理がデフォルトになりOOMが起きやすい。16GB環境は --normalvram を明示推奨。

4. H264エンコード時にFFmpegが無い

VHS_VideoCombineはFFmpegを使う。PATHが通っていないと書き出し失敗する。Windowsでは winget install ffmpeg または公式バイナリ導入。

5. T5-XXL fp16 が重すぎる場合

メモリ圧迫時は fp8 版(t5xxl_fp8_e4m3fn)に切り替えると VRAM を数GB節約できる。生成品質への影響は軽微。

ノード配置のコツ(視覚設計)

ComfyUIのキャンバスは自由配置だが、実用上は「データフローが左→右で流れる」ように配置すると、後で見返した時に混乱しにくい

  • 左端: CLIPとCheckpointの読み込み系
  • 中央左: プロンプトエンコードとLatent空間設定
  • 中央: スケジューラ・サンプラー(生成の核)
  • 中央右: VAEデコード
  • 右端: RIFE VFI → Video Combine

配線はできるだけ交差させず、似た目的のノードは近接配置すると、デバッグや設定変更時のストレスが減る。

よくある質問

Q. ワークフローJSONは配布していませんか?

配布していない。本記事はスクリーンショット中心で全体像を示し、読者自身が手でノードを繋ぐ想定。コピペで動かすより、ノードの役割を理解して自分の環境に合わせて調整する方が長期的に実力になる(個人見解)。

Q. RIFE VFIを外したシンプル版でも動きますか?

動く。出力は30fpsになるが、Adobe Stockは30fpsでも受け付けるので、VRAM 12GB環境や生成時間を短くしたい場合はRIFE VFI無しでも実用可能。

Q. VAEDecodeTiledに変える判断基準は?

VAEデコード時にVRAM 15GB以上を食っている場合、またはOOMで落ちる場合は VAEDecodeTiled に差し替える。タイル分割でピークVRAMを数GB下げられる代わりに、デコード時間が少し伸びる。

Q. サンプラー種類はどれが良い?

euler が最もシンプルで安定。品質を詰めたい場合は dpmpp_2m も試す価値がある。LTX 1の特性上、サンプラー変更による品質差はそれほど劇的ではない。

Q. 生成時間が前記事の実測値より大幅に長いです

以下を確認: 1) --normalvram オプション指定されているか、2) 別プロセスでGPUを共有していないか、3) NVMe SSDを使っているか(HDDだとモデルロード遅延)、4) 初回はモデルロードで時間がかかるため2本目以降で計測する、5) RIFE VFI が fast_mode になっていないか。

まとめ:ノードを理解すれば応用も効く

LTX 1のComfyUIワークフローは15ノード程度のシンプル構成。スクリーンショットを見ながら手動で組めば、1時間前後で動く状態まで到達できる。

JSONコピペで済ませず自分で組むメリットは、後から解像度・フレーム数・サンプラー・CFG値を変えたくなった時に、どのノードを触れば良いかが感覚として身につくこと。商用量産に進むなら、この「ノード理解」が結局は時間を節約してくれる。

続編の「LTX 1動画を4Kアップスケールする|4x-UltraSharpでAdobe Stock向け最終出力する手順」で、このワークフローで生成した動画を4Kアップスケール処理に流す具体手順を解説している。Adobe Stock向け最終提出ファイル(4K 60fps mp4)までの全体像を合わせて確認してほしい。

続編: LTX 1動画を4Kアップスケールする|1段階シンプル法・2段階品質法・バッチ処理法 — このワークフローで生成した動画を4Kアップスケールして Adobe Stock 向け最終出力まで仕上げる手順を解説。

生成層への組み込み

本記事は AIハードウェア図鑑 編集部 が記載時点の情報をもとに執筆。製品アップデートや第三者ベンチマーク・価格・対応ランタイム等の変動で評価が変わる可能性がある。一定期間経過した内容は再検証を推奨する。

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