ComfyUIでWan 2.1を動かそうとしたら、起動直後にVRAM不足エラーで止まった。海外のRedditコミュニティ(r/StableDiffusion)でも、「VRAM 4GB・RAM 16GBの環境でWan 2.1 5Bは動くのか?」という投稿が話題になっている。結論から言うと、VRAM 4GBではWan 2.1 5Bの動作は現実的に不可能。ただし、対処法はいくつか存在する。
・Wan 2.1 5BはFP16で約24GB、FP8でも12〜16GBのVRAMが必要。VRAM 4GBでは動作不可
・VRAM不足の対処法はComfyUI設定最適化・クラウドGPU・軽量モデルの3つ
・GPU買い替えなら中古RTX 3060 12GB(2万円台)が最もコスパに優れる選択肢
Wan 2.1 5Bを動かすにはVRAMがどれだけ必要か?
Redditの投稿者は「RAM 16GB・VRAM 4GB」という環境を挙げていたが、率直に言ってWan 2.1 5Bにはまったく足りない。モデルの重み(パラメータ)だけでFP16精度では約10GBを消費し、そこに推論時のアクティベーションメモリやVAEデコード分が加わる。合計で約24GBのVRAMが必要というのが現実的なラインだ。
FP8精度に量子化すればモデル重みの消費量は半減し、約12〜16GBまで下がる。とはいえ、VRAM 4GBでは量子化しても到底収まらない。Wan 2.1には1.3Bパラメータの軽量版も存在し、こちらはFP16で約6〜8GB。8GBのGPUならこの小型版が選択肢に入ってくる。
Text-to-VideoとImage-to-Videoで異なるVRAM消費
見落としがちなのが、生成モードによるVRAMの差。Image-to-Video(I2V)はテキストからの生成に加えて画像エンコーダー(CLIP Vision)を読み込むため、Text-to-Video比で1〜2GBほど多くVRAMを消費する。VRAM 12GBギリギリでFP8のText-to-Videoが動いたとしても、I2Vに切り替えた瞬間にOOM(メモリ不足)で止まる可能性がある点に注意してほしい。
さらに、生成する解像度とフレーム数もVRAMに直結する。480pで33フレームなら12〜16GBで済むケースでも、720pや81フレームに増やすと一気に24GB以上が必要になることもある。「VRAM何GBあれば動く?」という問いへの答えは、設定次第で大きく変わるのが実情。
VRAM容量別にAI動画生成モデルで何ができる?
自分のGPUでどのモデルが動くのか。ここが最も気になるポイントだろう。以下の表は、2026年4月時点の主要AI動画生成モデルについて、VRAM容量別の対応状況をまとめたもの。
| VRAM | Wan 2.1 5B | Wan 2.1 1.3B | AnimateDiff | LTX-Video | CogVideoX 2B |
|---|---|---|---|---|---|
| 4GB | 不可 | 不可 | 厳しい | 不可 | 不可 |
| 6GB | 不可 | 厳しい | 低解像度で可 | 厳しい | 不可 |
| 8GB | 不可 | FP16で可 | 512×512で可 | 480pで可 | 量子化で可 |
| 12GB | FP8で可(低設定) | 快適 | 快適 | 720pで可 | FP8で可 |
| 16GB | FP8で快適 | 快適 | 快適 | 快適 | 快適 |
| 24GB | FP16で快適 | 快適 | 高解像度可 | 快適 | FP16で快適 |
「可」と書いた条件でも、解像度やフレーム数を欲張ればOOMが発生する。あくまで最低ラインでの目安として参考にしてほしい。
解像度と生成フレーム数がVRAM消費を左右する
動画生成モデルのVRAM消費は、画像生成以上に解像度とフレーム数の影響が大きい。Wan 2.1 5Bの場合、480p・33フレームと720p・81フレームではVRAM消費量が2〜3倍も変わることがある。
VRAM 12GBの環境では、480p・33フレーム・FP8が現実的な上限と筆者は見ている。これ以上の設定を狙うなら16GB以上のGPUが必要になるだろう。一方、AnimateDiffはStable Diffusion 1.5ベースのため比較的軽量で、512×512・16フレームなら8GBでも動作する。品質の違いはあるものの、VRAM制約がきつい環境では有力な選択肢と言える。
なお、当サイトの検証環境(RTX 5080 / VRAM 16GB)では、未経験から3ヶ月で66本の4K動画が商用ストックサービスに採用されている。16GBクラスのVRAMがあれば、動画生成の実用的なワークフローを十分に構築できるという一例だ。
上記は当サイトの検証環境で生成したAI動画サンプル(RTX 5080で生成した4K 60fps動画)。
VRAM不足でもAI動画を生成する方法はある?
VRAM 4GBや8GBの環境でも、すべて諦める必要はない。対処法は大きく3つ。
1つ目はComfyUIの設定最適化。 FP8変換やlowvramモード、VAEのCPUオフロードなどを組み合わせれば、ピーク時のVRAM消費を大幅に削減できる。ただし速度は犠牲になるため、生成1本あたりの所要時間が倍以上に伸びることも覚悟してほしい。
2つ目はクラウドGPUの活用。 Google Colabの無料枠ではTesla T4(VRAM 16GB)が使える。Wan 2.1 1.3BやLTX-Videoなら十分に動作するスペック。ただし無料枠にはセッション時間の制限があり、長時間の大量生成には向かない。
3つ目は軽量モデルへの切り替え。 Wan 2.1 5Bの品質にこだわらないなら、AnimateDiffやLTX-Videoなど、低VRAMでも動くモデルを選ぶ手がある。品質面でWan 2.1には劣るものの、「動画を生成すること自体」は実現可能。
ComfyUIでVRAM消費を抑える設定のポイント
ComfyUIには低VRAM環境向けの起動オプションがいくつか用意されている。
主要な設定項目は以下の通り。
- –force-fp8-transformer: モデルをFP8精度で読み込む。VRAM消費をFP16比で約半分に圧縮
- –lowvram: モデルの一部をCPU RAMに退避させ、必要な部分だけGPUに読み込む方式。大幅に遅くなるが、低VRAM環境での動作が可能に
- –cpu-vae: VAEデコード処理をCPU側で実行。VRAM 1〜2GBの節約効果がある
- 生成設定の調整: 解像度を480p以下に制限し、フレーム数を33以下に抑える
ComfyUIのバージョンによってもVRAM管理の挙動が変わる。最新のComfyUI 0.18.1ではFP16関連のバグが修正され、VRAM節約と安定性が向上している。ComfyUIの基本的な使い方や必要スペックについては「ComfyUIとは?必要スペックからAI画像生成の始め方まで初心者向けに解説」で詳しく取り上げている。
クラウドGPUという選択肢(Colab・RunPod)
GPU買い替えの予算がない場合、クラウドGPUは現実的な代替手段になる。
Google Colab(無料枠) はTesla T4(VRAM 16GB)が利用可能。Wan 2.1 1.3Bモデル程度なら問題なく動作する。ただし、セッションは約90分で非アクティブ切断、最長でも約12時間という制限がある。GPU割り当ても保証されておらず、混雑時にはCPUのみになることも。無料で「お試し」する分には十分だが、本格的な動画制作には不安定さが残る。
RunPodやVast.aiといった有料クラウドGPUサービスなら、RTX 4090(VRAM 24GB)クラスを時間単位で借りられる。1時間あたり0.3〜0.7ドル程度が相場。月に数十本程度の生成なら、GPU買い替えよりもトータルコストが安くなるケースもあるだろう。
ローカルでAIモデルを扱う際の環境構築全般については、llama.cppがHuggingFaceに移管|キャッシュ移行の対処法とローカルAI環境への影響まとめも参考になる。
GPU買い替えを検討するならどのモデルが狙い目か?
Redditの投稿コメントでも「GPUを買い替えるしかない」という声は多かった。では、AI動画生成を前提にどのGPUを選ぶべきか。
VRAM 12GB以上が最低条件になると筆者は考える。8GBでは使えるモデルが限られすぎるためだ。
中古で最もコスパが良いのはRTX 3060 12GB。 2026年4月時点の中古相場は約2万円台。12GBのVRAMを持つGPUとしてはもっとも安価で、Wan 2.1 5BもFP8・低設定なら動作圏内に入る。ただし、CUDAコアは3584と少なく、生成速度はそれなりに遅い点は割り切りが必要。消費電力170W、電源ユニットは500W以上を推奨する。
新品ならRTX 5070(12GB・約104,800円〜)が有力。 GDDR7メモリによる高帯域で、同じ12GBでもRTX 3060とは実効性能が大きく異なる。さらに予算を伸ばせるなら、RTX 5070 Ti(16GB・約158,000円〜)は16GB VRAMとCUDAコア8960基を備えており、AI動画生成のコスパ最強候補と言えるかもしれない。
中古GPUの価格動向と狙い目モデル(2026年4月時点)
補助ソースのReddit(r/hardware)で話題になっているが、RTX 30シリーズの中古価格はAI需要の影響で上昇傾向にある。特にRTX 3090は中古10〜15万円台と高止まりしており、24GBのVRAMを安く手に入れたい層が価格を押し上げている状況。
| GPU | VRAM | 価格帯(2026年4月) | TDP | AI動画生成の目安 |
|---|---|---|---|---|
| RTX 3060 12GB(中古) | 12GB GDDR6 | 約20,000円〜 | 170W | Wan 2.1 5B FP8で可(低設定) |
| RTX 3090(中古) | 24GB GDDR6X | 100,000〜150,000円 | 350W | Wan 2.1 5B FP16で快適 |
| RTX 5070(新品) | 12GB GDDR7 | 約104,800円〜 | 250W | Wan 2.1 5B FP8で快適 |
| RTX 5070 Ti(新品) | 16GB GDDR7 | 約158,000円〜 | 300W | Wan 2.1 5B FP8で快適 |
| RX 9070(新品) | 16GB GDDR6 | 約70,000円〜 | 200W | VRAM単価最安。DirectML経由で動作 |
AMD RX 9070は16GBで約7万円と、VRAM単価ではNVIDIAを圧倒する。ただし、ComfyUIとの互換性はDirectML経由となり、CUDA前提のワークフローがそのまま使えない場合がある。安定性を優先するならNVIDIA、予算最優先でLinux環境も許容できるならAMDという棲み分けになるだろう。
まとめ
Wan 2.1 5BのVRAM要件を整理すると、FP16で約24GB、FP8でも12〜16GBが必要で、VRAM 4GBでの動作は不可能という結論になった。
低VRAM環境での対処法は3つ。ComfyUIの設定最適化(FP8変換・lowvramモード)、Google Colabなどのクラウドサービス活用、AnimateDiffやLTX-Videoへの切り替え。それぞれ速度・品質・コストのトレードオフがある。
GPU買い替えを考えるなら、中古RTX 3060 12GB(2万円台)が最も低コスト。新品なら16GBのVRAMを持つRTX 5070 TiやRTX 5060 Ti(発売後)が今後の本命と筆者は見ている。自分の予算と用途に合わせて、最適な手段を選んでほしい。
あなたの環境ではAI動画生成をどう実現しているだろうか。VRAM不足に悩んでいるなら、まずはクラウドGPUで試してみるのも一つの手。GPUのスペックや選び方の基本を確認したい場合は「ローカルLLMとは?自分のPCでAIを動かす仕組み・必要スペック・始め方をわかりやすく解説」も役立つはず。
よくある質問(FAQ)
Q. VRAM 6GBでWan 2.1は動く?
VRAM 6GBではWan 2.1 5Bは動作しない。1.3Bモデルでも6GBでは厳しく、最低8GBは欲しいところ。6GBの環境でAI動画を試したいなら、AnimateDiffで解像度とフレーム数を制限するか、Google Colabの無料枠(T4・VRAM 16GB)を使うのが現実的な選択になる。
Q. Google Colabの無料枠でAI動画は何本生成できる?
Colabの無料枠ではセッション時間に制限があり、非アクティブ90分・最長約12時間で切断される。1本あたりの生成時間はモデルや設定次第だが、Wan 2.1 1.3B・480p・33フレームであれば1セッション中に数本〜十数本は生成できる可能性がある。ただしGPUの割り当ては保証されておらず、混雑時にはGPUなしのセッションになることも。安定して大量生成したい場合はRunPod等の有料サービスが確実。
Q. RTX 3060 12GBとRTX 4060 8GB、AI動画生成向きはどちら?
AI動画生成に限れば、RTX 3060 12GBの方が有利。VRAM 12GBと8GBの差は決定的で、8GBでは動かせないモデルや設定が12GBなら可能になる場面が多い。RTX 4060はCUDAコア数やアーキテクチャで勝るものの、VRAM 8GBという制約がAI動画生成では大きなボトルネック。用途がゲーム中心ならRTX 4060だが、AI動画を本気でやるならVRAM優先で選ぶべきだ。VRAMの基本については「VRAMとは?AI用途で必要な容量の目安をわかりやすく解説」を参照してほしい。
Q. AnimateDiffとWan 2.1は何が違う?
AnimateDiffはStable Diffusion 1.5をベースにモーションモジュールを追加する仕組みで、比較的低VRAMで動作する。512×512・16フレームならVRAM 8GBでも生成が可能。一方、Wan 2.1は専用設計の動画生成モデルで、テキストや画像からより高品質な動画を生成できる反面、VRAM消費が大きい。「低VRAMで手軽に動画を作りたい」ならAnimateDiff、「品質重視で本格的に取り組みたい」ならWan 2.1という位置づけになる。両者は競合というより、環境と目的に応じた使い分け対象と考えるのが妥当だろう。
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| 製品名 | カテゴリ | スペック | 参考価格 |
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| RTX 5080 | GPU・グラフィックボード | NVIDIA GeForce RTX 5080 16GB GDDR7 | ¥200,000〜 |
| RTX 5070 Ti | GPU・グラフィックボード | NVIDIA GeForce RTX 5070 Ti 16GB GDDR7 | ¥130,000〜 |
| RTX 5070 | GPU・グラフィックボード | NVIDIA GeForce RTX 5070 12GB GDDR7 | ¥90,000〜 |

