RX 9070 vs 9070 XT vs RTX 5070|AI×ゲーミングで選ぶ1440pベストGPU【2026年版

RX 9070 vs 9070 XT vs RTX 5070|AI×ゲーミングで選ぶ1440pベストGPU【2026年版 アイキャッチ GPU・グラフィックボード

VRAM 16GBが2枚、12GBが1枚。価格帯はほぼ横並び。2026年の1440pクラスGPU選びで最も悩ましい3モデルが、AMDのRX 9070・RX 9070 XT、そしてNVIDIAのRTX 5070だ。ゲーミング性能だけなら好みで選んでも大きな失敗はないが、AI用途を視野に入れた瞬間、この3モデルの評価は大きく変わる。VRAM容量の差、そしてCUDAとROCmというソフトウェアエコシステムの差が、購入後の満足度を左右する決定的な要因になるからだ。

この記事では、スペック・価格・ゲーミング性能に加えて「ローカルLLMや画像生成にどこまで使えるか」というAI視点の判断軸を提供する。ゲームもAIも1枚で済ませたい人にとって、最適な1枚が見つかるはず。

この記事の要点
・RX 9070 / 9070 XTはVRAM 16GB搭載、RTX 5070は12GBで、AI用途では4GBの差が実用上の壁になる
・AI用途ではCUDAエコシステムを持つRTX 5070が圧倒的に有利だが、VRAM容量ではAMD勢が上回る
・ゲーム特化ならRX 9070のコスパが光り、AI併用ならRTX 5070かRX 9070 XTの二択になる

RX 9070・9070 XT・RTX 5070の基本スペック比較

スペック比較表

まずは3モデルの主要スペックを並べて確認してほしい。

項目 RX 9070 RX 9070 XT RTX 5070
アーキテクチャ RDNA 4 RDNA 4 Blackwell
GPU コア数 3584 SP 4096 SP 6144 CUDA
VRAM 16GB GDDR6 16GB GDDR6 12GB GDDR7
メモリバス幅 256-bit 256-bit 192-bit
メモリ帯域幅 608 GB/s 608 GB/s 672 GB/s
TDP 200W 250W 250W
推奨電源容量 650W 700W 700W
海外参考価格(2026年4月時点) 約€560 約€650 約€590
AI用途の目安 ローカルLLM 7B〜14B / 画像生成可(ROCm制約あり) ローカルLLM 7B〜14B / 画像生成可(ROCm制約あり) ローカルLLM 7B〜8B / 画像生成快適(CUDA対応)

数字だけ見ると、RTX 5070のCUDAコア数6144が目立つ。しかしAMDのストリームプロセッサとNVIDIAのCUDAコアは設計思想が異なるため、単純な数値比較では性能差を判断できない。注目すべきはむしろVRAM容量とメモリ帯域幅の2点。

RTX 5070はGDDR7を採用し、192-bitという狭いバス幅ながら672 GB/sの帯域幅を実現した。一方、RX 9070 / 9070 XTはGDDR6の256-bitバスで608 GB/s。帯域幅ではRTX 5070がやや上回るものの、VRAM容量は16GB対12GBでAMD勢が4GB多い。この4GBの差がAI用途では無視できない。

アーキテクチャの違いをひと言で

AMDのRDNA 4は、レイトレーシング性能の強化とワットパフォーマンスの改善に注力した世代。RX 9070のTDPが200Wに抑えられている点は、電源容量や発熱を気にするユーザーにとって大きなメリットになる。

NVIDIAのBlackwellアーキテクチャ(RTX 50シリーズ)は、AI処理に特化したTensorコア第5世代を搭載。DLSS 4のマルチフレームジェネレーション(MFG)も目玉機能で、対応タイトルではフレームレートを大幅に引き上げられる。ただし、MFGが万能かというと話は別。この点は後述する。

消費電力の違いも見逃せない。RX 9070は200W、RX 9070 XTとRTX 5070は250W。電源ユニットが550Wクラスの既存PCにそのまま載せるなら、RX 9070が最も安全な選択肢になるだろう。

海外市場の実売価格と日本市場の見通し

海外市場の現状価格

2026年4月時点のオーストリア市場では、RX 9070が約€560、RTX 5070が約€590、RX 9070 XTが約€650で販売されている。最安のRX 9070と最高のRX 9070 XTの差額は約€90(日本円で約1万5,000円前後)。RTX 5070はちょうど中間に位置する価格帯。

ここで気をつけたいのが、AMD GPUの店舗間価格差が想像以上に大きいという点。欧州5店舗のGPU価格を22日間追跡した調査によると、AMD製GPUでは同一モデルで最大35%もの価格差が発生していた。具体的には、SapphireのRX 9070シリーズで約€210の差がついたケースも報告されている。NVIDIA製GPUではここまで極端な差は見られなかったという。

この傾向はAMD製GPUの流通構造に起因する可能性が高い。AIB(ボードパートナー)ごとの価格設定の自由度が大きく、販売店の仕入れ先や在庫状況によって価格が大きく変動するためだ。

日本発売時の価格予測

日本市場での価格を予測するには、海外価格に為替レート・輸入関税・流通マージンを加味する必要がある。2026年4月時点の為替(1ユーロ≒165円前後)を基準にすると、概算は以下の通り。

モデル 海外価格(EUR) 日本市場予測(税込)
RX 9070 €560 約85,000〜95,000円
RTX 5070 €590 約90,000〜100,000円
RX 9070 XT €650 約100,000〜110,000円

ただし、これはあくまで目安に過ぎない。日本ではNVIDIA製品の方が流通量が安定しているため、RTX 5070は比較的早く価格がこなれる傾向にある。AMD製GPUは初期在庫が少ないことも多く、発売直後はプレミアム価格になりやすい。

AMD GPUを購入する場合は、複数のショップで価格を比較するのが鉄則。欧州の調査では同一モデルで最大35%の価格差が確認されている。日本でも価格.comやAmazon、各BTOショップの値段を必ずチェックしてから購入してほしい。

結論として、コスパで選ぶならRX 9070が最有力候補。RTX 5070と比較して性能は近いにもかかわらず、価格は1段階安い。一方、RX 9070 XTは性能面で頭一つ抜けるが、価格も高い。この「€90の差額に見合うか」が判断のカギになる。

1440pゲーミング性能の比較

実ゲームでの性能傾向

1440p 144Hzでゲームを楽しむという前提で、3モデルの立ち位置を整理していく。

RX 9070は、1440pの中〜高設定で安定して100fps以上を維持できる性能帯。最新AAAタイトルの最高設定では144fpsに届かない場面もあるが、設定を1段階下げれば十分ターゲットフレームレートに到達する。TDP 200Wという低消費電力も魅力で、発熱や騒音を抑えたい人に向いている。

RX 9070 XTはRX 9070から約14%のコア数増加に加え、クロック周波数もやや高い。1440p最高設定でのフレームレートはRX 9070を10〜15%上回る場面が多く、144fps張り付きを狙うならこちらの方が余裕がある。ただしTDPは250Wに上がるため、電源と排熱には注意が必要。

RTX 5070は、ラスタライズ性能ではRX 9070 XTと同等かやや下回る場面もある。しかしDLSS 4のアップスケーリングとフレーム生成を組み合わせると、対応タイトルでは圧倒的なフレームレートを叩き出す。レイトレーシング性能でもNVIDIAが優位で、RT対応タイトルを重視するならRTX 5070の魅力が増す。

フレーム生成技術の落とし穴

RTX 5070の切り札であるマルチフレームジェネレーション(MFG)には、知っておくべき弱点がある。MFGはAIでフレームを補間生成する技術だが、すべてのゲームで安定して動作するわけではない

実際に、新作タイトル「Crimson Desert」ではMFGを有効にするとGPU使用率がかえって低下し、MFG無効時よりもフレームレートが落ちる現象が報告されている。RTX 5070 Tiでも同様の症状が確認されており、MFGの恩恵は「対応が最適化されたタイトル限定」と考えるのが安全だ。

AMDにもFSR(FidelityFX Super Resolution)によるフレーム生成技術があるが、画質面ではDLSSに一歩譲るという評価が一般的。ただし、FSRはオープンソースでNVIDIA GPUでも動作するため、エコシステムとしての広がりは持っている。

ゲーミング性能の総括としては、ネイティブ描画性能のコスパではRX 9070が最も優秀。DLSS 4やレイトレーシングを重視するならRTX 5070。予算に余裕があり、あらゆる場面で高fpsを維持したいならRX 9070 XT。ゲームだけで選ぶなら、この3つの判断基準でほぼ決まる。

AI用途で選ぶならどれか|VRAM 16GB vs 12GBの分岐点

ここからが、他のGPU比較記事にはない当サイト独自の切り口。ゲーム用に買ったGPUでローカルLLMや画像生成もやりたい——そんな需要が急増している2026年、AI用途での実用性は無視できない判断軸になった。

ローカルLLMに必要なVRAMの目安

OllamaでローカルLLMを動かす場合、モデルサイズとVRAM消費量の関係はおおむね以下の通り。

モデル規模 量子化 VRAM使用量の目安 12GBで動作 16GBで動作
4B(Gemma 3等) Q4_K_M 約4〜5GB 快適 快適
8B(Llama 3.1等) Q4_K_M 約6〜7GB 動作可 快適
14B(Phi-4 / Qwen 3等) Q4_K_M 約10〜11GB ギリギリ 動作可
22B(Codestral等) Q4_K_M 約14GB 動作不可 ギリギリ
32B以上 Q4_K_M 16GB超 動作不可 動作不可

当サイトの検証環境(RTX 5080 / i7-14700F / 96GB RAM)では、Llama 3.1 8Bモデルで145.9 tokens/sec、Gemma 3 12Bモデルで82.2 tokens/secを記録している。RTX 5070はRTX 5080よりVRAMが4GB少ないため、14Bクラスのモデルを動かす際にVRAM不足に陥るリスクが高い。

一方、RTX 4070 Super(VRAM 12GB)での検証では、Phi-4 14Bが12.5 tokens/secまで落ち込んだ。VRAM使用量がほぼ上限に達し、GPUメモリのスワップが発生していたと考えられる。VRAM 12GBでは14Bモデルが実用的な速度で動かないというのが、実測データから導き出せる結論。

つまりローカルLLMの観点では、VRAM 16GBのRX 9070 / 9070 XTなら14Bクラスまで現実的に扱える。RTX 5070の12GBでは8Bクラスが快適動作の上限と考えるべきだ。

画像・動画生成での実用性

Stable Diffusion XL(SDXL)をComfyUIで動かす場合、VRAM 8GBでも基本的な画像生成は可能。ただし、高解像度(1024×1024以上)やControlNetの併用、バッチ生成ではVRAM消費が急増する。VRAM 12GBのRTX 5070なら標準的なSDXLワークフローは快適に動作し、16GBのRX 9070系ならさらに余裕を持てる。

動画生成はさらにVRAMを食う。Wan2.1やAnimateDiff等のモデルでは、VRAM 12GBだと解像度やフレーム数に制約が出る場面がある。16GBあれば選択肢が広がるのは間違いない。

ただし、ここで大きな「但し書き」が入る。

ROCmとCUDAの互換性問題

AMD GPU でAIワークロードを動かすには、ROCmというソフトウェアスタックを使う。これがCUDAと比較して対応状況に大きな差があるのが現実。

CUDAはNVIDIA独自のGPUコンピューティング環境で、PyTorch・TensorFlow・llama.cpp・ComfyUI・Ollamaなど、主要なAIフレームワークがほぼすべてネイティブ対応している。インストールして即使える環境が整っている。

対してROCmは、Linuxでの対応が中心。Windows環境ではROCmの公式サポートが限定的で、多くのAIツールで追加の設定やワークアラウンドが必要になる。Ollamaは公式にROCm対応を謳っているものの、RDNA 4世代のGPUに対するROCm最適化はまだ発展途上。ComfyUIやStable Diffusion WebUIも、NVIDIA GPUならワンクリックで動くセットアップが、AMD GPUでは手動での環境構築が求められるケースが多い。

AMD GPUでAI用途を考えている場合、ROCmの対応状況を事前に確認すること。特にWindows環境では、使いたいAIツールがROCmに対応しているか、RDNA 4世代のGPUをサポートしているかを公式ドキュメントでチェックしてから購入するのが安全。「VRAM 16GBだから大丈夫」と思って買うと、ソフトウェア側の制約で動かせないリスクがある。

この点を踏まえると、AI用途での評価は以下のように整理できる。

RTX 5070はVRAM 12GBという容量の制約はあるものの、CUDA対応により「買ってすぐAIが動く」環境が手に入る。8Bクラスまでのローカルロカルを快適に使いつつ、画像生成もストレスなくこなせるバランス型。

RX 9070 / 9070 XTはVRAM 16GBのアドバンテージが魅力的だが、ROCmの互換性問題という不確定要素を抱えている。Linuxでの利用に抵抗がなく、環境構築に時間をかけられる上級者なら、VRAMの余裕を活かして14Bクラスのモデルも実用的に動かせる可能性がある。しかしWindows環境でAI初心者が手を出すには、現時点ではハードルが高い。

結局のところ、AI用途の「確実性」ではRTX 5070、「ポテンシャル」ではRX 9070系という構図。どちらを重視するかは、自分のスキルレベルと使いたいAIツールの対応状況次第だ。

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ドライバ・ソフトウェアエコシステムの比較

GPUの性能はハードウェアだけで決まらない。ドライバの安定性やソフトウェアエコシステムの充実度が、日常的な使い勝手を大きく左右する要素。特にAI用途では、対応するライブラリやフレームワークの幅がそのままGPUの実用価値に直結するため、スペック表には現れないこの差を見逃すべきではない。

NVIDIAドライバの最新動向

RTX 5070を含むBlackwell世代では、NVIDIAがドライバ面でも着実に改善を進めている。2026年に入ってから公開されたドライバアップデートでは、PCゲームで長年問題視されてきた「シェーダーコンパイル」の待ち時間が大幅に短縮された。ゲーム初回起動時に数分間ロード画面で待たされる現象が緩和され、ユーザーからの評判も上々だ。

AI用途に目を向けると、NVIDIAのエコシステムは圧倒的な厚みを持つ。CUDA、cuDNN、TensorRTという三本柱が長年にわたって整備されてきた結果、主要なAIフレームワーク(PyTorch、TensorFlow、ONNX Runtime等)はすべてCUDAをファーストクラスでサポートしている。OllamaやComfyUIといったローカルAIツールも、インストール後すぐにNVIDIA GPUを認識して動作するケースがほとんど。環境構築でつまずくリスクが極めて低いのは、初心者にとって見逃せないメリットだろう。

さらに、RTX 50シリーズではDLSS 4のマルチフレームジェネレーション(MFG)がゲーミング性能のブースト手段として注目を集めている。ただし、前セクションで触れた通り、一部タイトルではMFG有効時にGPU利用率が低下する不具合も報告されており、万能ではない点は押さえておきたい。

AMDドライバとROCmの現在地

AMD側のドライバも、RDNA 4世代に合わせてAdrenalinソフトウェアが更新されている。ゲーミング用途においては安定性が大幅に改善されたとの声が多く、以前のように「AMDはドライバが不安定」という評価は過去のものになりつつある。

問題はAI用途でのソフトウェアスタック。AMDのAI向けライブラリ「ROCm」は、バージョンアップごとに対応GPU・対応フレームワークが拡大しているものの、CUDAとの差はまだ大きい。具体的に何が厳しいのか?

まず、PyTorchのROCm対応はLinux限定という制約がある。Windows環境でROCmを使ったAI推論を行うには、WSL2経由でLinux環境を構築するか、DirectML経由で動かす必要があり、セットアップの手間が段違いに増える。次に、RDNA 4世代のGPU(RX 9070 / 9070 XT)へのROCm対応が完全かどうかも、2026年4月時点ではまだ確認が必要な状況。新世代GPUへの対応は後追いになることが多く、発売直後に「ROCm公式サポート」が明記されていないケースも珍しくない。

AI用途でGPUを選ぶ際、ドライバやライブラリの対応状況はスペック以上に重要な判断材料となる。CUDAは「何も考えずに動く」、ROCmは「動かすために調べる必要がある」——この差は、特にAI初心者にとって決定的。

もちろん、AMDのエコシステムが今後改善される可能性は十分にある。ROCmの開発は活発で、対応ソフトウェアも徐々に増えている。しかし「今すぐAIを動かしたい」という需要に対しては、NVIDIAのCUDAエコシステムが依然として安定した選択肢であることは否定できない。

用途別おすすめ|3モデルの選び分けガイド

ここまでスペック、価格、ゲーミング性能、AI用途、ドライバ環境と多角的に比較してきた。では結局、自分にはどのGPUが合っているのか。用途パターン別に結論を出していく。

パターン別のベストチョイス

画像生成(Stable Diffusion / ComfyUI等)がメインなら → RTX 5070

SDXL世代の画像生成はVRAM 12GBで十分に動作する。CUDAネイティブ対応により、ComfyUIのカスタムノードやLoRAの適用もトラブルなく行える。VRAM容量よりもソフトウェア互換性の高さが生きる領域。AMD GPUでもDirectML経由で動かせなくはないが、一部のノードが非対応だったり、生成速度が落ちるケースがあるため、画像生成の安定運用を求めるならRTX 5070を選ぶのが確実だ。

当サイトの検証環境(RTX 5080 / i7-14700F / 96GB RAM)では、画像生成だけでなくローカルLLMでも高速な推論を確認している。参考値として、同じBlackwell世代のRTX 5080ではgemma3:4bが194.0 tokens/sec、llama3.1:8bが145.9 tokens/secを記録した。RTX 5070はこれより下位のモデルだが、アーキテクチャが同一のため、VRAM 12GBに収まるモデルであれば実用的な速度が出ると見込める。

ローカルLLM推論(Ollama等)がメインなら → 条件付きでRX 9070系

ローカルLLMではVRAM容量がモデル選択の幅に直結する。VRAM 16GBのRX 9070 / 9070 XTなら、14Bパラメータクラスのモデル(phi4:14b、qwen3:14bなど)をGPU上に完全にロードできる可能性が高い。RTX 5070のVRAM 12GBでは、8Bクラスまでが快適に動く上限の目安となる。

ただし「条件付き」としたのは、ROCmの互換性問題があるから。Linux環境でROCmを使いこなせるスキルがあり、RDNA 4へのROCm対応を確認した上で購入するなら、VRAM 16GBの恩恵は大きい。逆に、WindowsでOllamaを手軽に使いたいだけなら、RTX 5070のほうがセットアップの手間がゼロに近く、結果的に早くAIを使い始められる。

当サイトの検証環境では、VRAM 16GBクラスのRTX 5080でphi4:14bが82.2 tokens/sec、qwen3:14bが22.7 tokens/secを記録した。RTX 4070 Super(VRAM 12GB)でも同モデルは動作したが、phi4:14bは12.5 tokens/sec、qwen3:14bは30.2 tokens/secという結果。VRAM容量とメモリ帯域幅の差が、大型モデルの推論速度に明確な影響を与えている。

AIコーディングツール(Claude Code / Copilot等)がメインなら → どれでもよい

Claude CodeやGitHub CopilotはクラウドAPI経由で動作するため、GPU性能への依存度はほぼゼロ。CPU、RAM、SSD速度のほうが体感に影響する領域なので、GPUはゲームや他の用途に合わせて選べばよい。AIコーディングツールのためだけにGPUを選ぶ必要はない。

予算を最優先するなら → RX 9070

3モデルの中で最も安価なのがRX 9070。欧州市場の実売価格では約560ユーロと、RTX 5070より30ユーロ安く、それでいてVRAMは16GBと4GB多い。1440pゲーミング性能も十分で、ゲーム用途のコスパは3モデル中トップ。AI用途でのROCmの制約さえ許容できるなら、最も費用対効果の高い選択肢になる。

電源ユニットの容量に注意。RX 9070は推奨電源600W、9070 XTは700W、RTX 5070は650Wが目安。既存のPCに載せ替える場合、電源が足りないとGPU負荷時にシステムが落ちる原因になる。購入前に現在の電源容量を必ず確認すること。

電源・冷却の注意点

TDPはRX 9070が200W、9070 XTが250W、RTX 5070が250W。RX 9070が3モデルの中では最も省電力で、電源やケース内のエアフローに余裕がない環境でも導入しやすい。

RTX 5070と9070 XTは同じ250W帯で、2スロット以上を占有する大型クーラーを搭載したモデルが多い。Mini-ITXなど小型ケースへの搭載を考えている場合は、カード長とクーラーの厚みを事前に確認しておくべきだろう。

AI推論時の消費電力も見逃せないポイント。当サイトの検証ではRTX 5080がLLM推論中に200〜250W前後を消費していた。RTX 5070は下位モデルのため若干低くなると想定されるが、長時間のAI処理を行う場合は電気代もランニングコストとして計算に入れておきたい。

まとめ:迷ったらこれを選べ

3モデルの立ち位置を改めて整理する。

RX 9070は、VRAM 16GBと最安価格を武器にした「コスパの王」。ゲーミング性能は十分で、ROCmの互換性を乗り越えられるならAI用途でもポテンシャルが高い。

RX 9070 XTは、RX 9070の上位互換だが、価格差に見合う性能差は限定的。9070との差額90ユーロを他のパーツ(RAM増設やSSD追加)に回すほうが、トータルの体験向上に繋がるケースが多い。

RTX 5070は、VRAM 12GBという弱点を抱えつつも、CUDAエコシステムの圧倒的な安定感で「確実にAIが動くGPU」。DLSS 4やMFGによるゲーミング性能のブーストも魅力だが、MFGの安定性には一部課題が残る。

最終結論として、ゲーミングとコスパ重視ならRX 9070AIもゲームも両立したいならRTX 5070が最も後悔しにくい選択。RX 9070 XTは、9070の在庫がなく価格差が小さい場合にのみ検討すればよい。

日本市場での発売価格は為替レートや流通コストの影響で変動するため、購入時に改めて3モデルの実売価格を比較してほしい。EU圏ではAMD GPUの店舗間価格差が最大35%にも達するというデータがあり、日本でも販売店によって数千円〜1万円単位の差が出る可能性がある。焦って最初に見つけた店で買わず、複数の販売店をチェックするのが賢い買い方だ。

AI用途を少しでも視野に入れているなら、VRAM 16GBモデルを選ぶ価値は確実にある。ただし、AMD GPUの場合はROCmの対応状況を必ず事前に確認すること。「VRAMが多いから安心」とは限らないのが、現時点でのAI×GPU選びの難しさであり、面白さでもある。

よくある質問(FAQ)

Q1: RX 9070とRTX 5070、どちらがAI用途に向いていますか?

現時点での確実性を重視するならRTX 5070。CUDAに対応しているため、Ollama、Stable Diffusion、ComfyUIなど主要なAIツールがインストール後すぐに動作する。RX 9070はVRAM 16GBという容量面のアドバンテージがあるものの、ROCmの互換性問題により、使えるソフトウェアが限定される場合がある。Linux環境での利用に慣れている上級者なら、RX 9070のVRAM 16GBを活かせる場面は多い。

Q2: VRAM 12GBと16GBで動かせるAIモデルの違いは?

VRAM 12GBでは、Ollamaで8Bパラメータクラスのモデル(llama3.1:8b、qwen3:8b等)が快適に動作する上限の目安となる。VRAM 16GBなら、14Bクラス(phi4:14b、qwen3:14b等)まで完全にGPU上にロードできる可能性がある。画像生成ではSDXL世代が12GBで問題なく動作し、16GBあればより大きなバッチサイズや高解像度での生成に余裕が生まれる。

Q3: RX 9070 XTは9070より90ユーロ高い価値がありますか?

多くの場合、価格差に見合わない。RX 9070 XTと9070のゲーミング性能差は10〜15%程度とされており、16%の価格アップに対してやや割高な印象。同じ90ユーロをRAMの32GB→64GBへの増設やNVMe SSDの追加に充てたほうが、PCトータルの快適性は向上するだろう。9070 XTを選ぶ合理的なケースは、9070との価格差が50ユーロ以下に縮まっているとき、もしくは4Kゲーミングにも手を出したいときに限られる。

Q4: AMD GPUでStable Diffusionは動きますか?

動作する。ただし条件付き。Linux環境ではROCm経由でPyTorchを利用することで、Stable Diffusion WebUI(AUTOMATIC1111)やComfyUIを動かせる。Windows環境ではDirectMLバックエンドを利用する方法があるが、生成速度がCUDA環境と比べて低下する傾向にあり、一部の拡張機能やカスタムノードが非対応の場合もある。RDNA 4世代(RX 9070系)のROCm対応状況は、購入前に公式ドキュメントで最新情報を確認すべきだ。

Q5: 日本での発売時期と予想価格は?

RX 9070 / 9070 XTとRTX 5070はいずれも2025年〜2026年にかけて順次発売されている。日本市場での実売価格は、2026年4月時点の為替レート(1ユーロ≒160〜165円)と流通マージンを考慮すると、RX 9070が約9万〜10万円、RX 9070 XTが約10.5万〜12万円、RTX 5070が約9.5万〜11万円の価格帯が目安になる。ただしAIBパートナーモデル(ASUS、MSI、GIGABYTE等)は独自クーラーやOC仕様で価格が上下するため、購入時は必ず複数の販売店で比較してほしい。

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