この記事の要点
- 配布元が挙げる「およそ5倍」はサンプリング部分の話で、生成1本の総時間の倍率ではない。RTX 5080での総時間の実測では、倍率は条件によって1.47倍〜4.18倍まで動いた (いずれもLoRAなし20ステップを基準にした値)
- 1344×768・192フレーム(8.00秒)では、LoRAなし20ステップの1370.8秒 (22分51秒) がLoRAあり4ステップで327.6秒 (5分28秒) になった (各条件1回)
- 864×480・56フレーム(2.33秒)では1.47〜2.49倍にとどまる。尺と解像度が軽いほど倍率は小さい
- ステップ数を揃えて比べるとLoRAありのほうが遅い。速くなるのはステップ数を減らせるから
- LoRAの有無で見え方がはっきり違ったのは4ステップ。6ステップと8ステップはLoRAなしでも細部が残る (seed 12345・1本のプロンプトでの見え方)
- VRAMとComfyUIプロセスRAMのピークは、今回の条件では差が実質見えなかった
本記事の実測値は2026年8月9日から10日にかけて、RTX 5080とRTX 5060 Ti (いずれもVRAM 16GB) で測定したものです。測定に使ったのはpruned形式向けのComfyUI変換版で、専用カスタムノードを使う経路とは設定も前提も異なります。
先に結論: 速くなる倍率は尺と解像度で変わる
MiniMax H3向けのTurbo LoRAについて、配布元は通常およそ20ステップかかるところを最短4ステップで生成でき、サンプリングがおよそ5倍速くなると説明している。この5倍はサンプリング部分に限った説明であり、生成1本にかかる総時間についての数字ではない。
総時間を実際に測ると、倍率は条件で大きく動いた。1344×768・192フレーム(8.00秒)では4.18倍、同じ解像度でも56フレーム(2.33秒)なら3.34倍、864×480・56フレームでは2.49倍にとどまる。いずれもLoRAなし20ステップを基準にLoRAあり4ステップと比べた値で、比較相手をLoRAあり8ステップに変えると864×480では1.47倍まで下がる。
倍率だけを単独で受け取っても判断材料にならない。尺・解像度・比較相手のステップ数の3点を添えて初めて、手元の用途に当てはめられる数字になる。
この記事は、同じ機材と同じワークフローで MiniMax H3 本体を測ったMiniMax H3をVRAM 16GBで動かす|ComfyUIでの導入手順とRTX 5080・5060 Ti実測の続きにあたる。前回扱ったのは、VRAM 16GB のカードで H3 を動かすまでの手順と、そのとき効いてくるメモリ側の前提だった。今回はそこに Turbo LoRA を1つ足し、ステップ数だけを変えて同じ測定系で回している。比較の基準にしている「LoRAなし 20ステップ」も、過去の値を引き写さず今回あらためて測り直した。
Turbo LoRAとは何か、誰が作ったものか
MiniMax-H3 Turbo LoRAは、larryvrhがHugging Face上で公開したコミュニティ製のLoRAで、MiniMax本体からのリリースではない。ライセンスはApache 2.0。MiniMaxが2026年8月3日にMiniMax H3のオープンソース化を発表してから、数日のうちに登場している。
配布元はこのLoRAをプレビュー段階と位置づけており、音声と激しい動きの下での挙動を改善中だと明記している。チェックポイントの更新間隔も短く、測定に使ったファイルがそのまま残り続ける前提では読めない。
同じ「4ステップ化」を狙った別系統のLoRAが、lightx2v (ModelTC) からも公開されている。ファイル名はminimax_h3_fl2v_turbo_4step_v0.1.safetensorsで、ライセンスは同じくApache 2.0。ただしこちらはLightX2V側のMiniMax H3推論実装で使うことを想定した配布で、ComfyUIが扱うpruned形式で動くかは確認できていない。この記事では未検証のため、以降で扱うのはlarryvrhの系統だけになる。
drbaph版なら1ファイル追加で済む
導入経路は2つあり、推奨値もそれぞれ別になっている。混ぜると設定が噛み合わない。
1つは、larryvrhが配布する専用のカスタムノードを使う経路。MiniMax-H3のフル形式 (bf16 / int8_convrot) とpruned形式 (pruned_int8 / pruned_fp8) の両方を扱え、pruned形式のベースを自動判別して実行時にtime-conditioningを入れ直す仕組みが入っている。この経路の推奨は、4ステップを推奨の下限として実用域は4〜8ステップ、strengthは1.0のまま、スケジューラはsimpleのまま使う、という内容になっている。8ステップを超えると効果が頭打ちになり、過度にシャープな副作用が出ることがあるとも書かれている。
もう1つは、drbaphが配布するpruned形式向けのComfyUI変換版を、ComfyUI標準のLoRAローダーで読む経路。カスタムノードを追加せずファイル1つで済む。こちらの推奨設定はminimax_h3_turbo_v4_step600_ema_pruned_comfyui.safetensorsを6〜8ステップ・eulerサンプラー・betaスケジューラ・strength 1.0で使うこと。開始点については配布ページ内で記述が揺れており、推奨ワークフローの例では6ステップ、多くの生成では8ステップを開始点とする記述が併存している。スケジューラがsimpleではなくbetaになっている点が、先の経路とのはっきりした違いになる。drbaphのリポジトリはlarryvrh版を第三者が互換変換したもので、ライセンスはApache 2.0。
置き場所はどちらの経路でもComfyUIのmodels/lorasで、ワークフロー上はモデルを読み込むノードとサンプラーの間にLoRAを適用する段を挟む。ComfyUI側の導入手順そのものや、VRAM・システムRAMの前提はMiniMax H3をVRAM 16GBで動かす|ComfyUIでの導入手順とRTX 5080・5060 Ti実測で扱っているため、ここでは繰り返さない。
変換版は元のLoRAと同じものではない
今回測ったのは、v4 step600のEMA版をComfyUI向けに変換したファイルになる。これは元のLoRAをそのまま変換したものではない。pruned形式と寸法が合わないAdaLNのテンソルを除いた部分的な互換変換で、元の518テンソルのうちAdaLNの51組 (102テンソル) が除かれている。配布元も、元のフル版LoRAを本来のフル形式ベースで使った場合と数値的に同じ挙動になると考えるべきではない、と明記している。以下の実測値はすべてこの部分互換変換版のもので、フル形式ベースと専用カスタムノードを使う経路では結果が変わりうる。
実測: 8秒のクリップは22分51秒から5分28秒になった
本命の条件から見ていく。RTX 5080 16GB、ComfyUI 0.31.1、モデルはminimax_h3_fl2va_pruned_fp8_scaled、テキストエンコーダはqwen3vl_32b_minimax_h3_nvfp4_awq、eulerサンプラー+betaスケジューラ、LoRA strength 1.0、1344×768・192フレーム(8.00秒)。
| 条件 | 生成時間 | 基準比 |
|---|---|---|
| LoRAなし 20ステップ |
1370.8秒 (22分51秒) | 1.00倍 |
| LoRAあり 8ステップ |
611.5秒 (10分12秒) | 2.24倍 |
| LoRAあり 4ステップ |
327.6秒 (5分28秒) | 4.18倍 |
1本あたり最短で5分28秒、最長で22分51秒かかるため、この表は各条件1回のみの測定になっている。3回計測した短いクリップに比べ、値の揺れを潰せていない点は割り引いて読む必要がある。
短いクリップでは倍率が落ちる
同じLoRAで尺と解像度を下げると、倍率は目に見えて縮む。次は56フレーム(2.33秒)での測定で、いずれもseedを変えて3回実行した中央値。
864×480・56フレーム
| 条件 | 中央値 | 範囲 | 基準比 |
|---|---|---|---|
| LoRAなし 20ステップ |
72.7秒 | 68.9〜81.6秒 | 1.00倍 |
| LoRAあり 8ステップ |
49.4秒 | 45.7〜52.2秒 | 1.47倍 |
| LoRAあり 6ステップ |
36.6秒 | 36.6〜39.5秒 | 1.99倍 |
| LoRAあり 4ステップ |
29.2秒 | 29.2〜30.1秒 | 2.49倍 |
1344×768・56フレーム
| 条件 | 中央値 | 範囲 | 基準比 |
|---|---|---|---|
| LoRAなし 20ステップ |
208.2秒 | 207.3〜213.0秒 | 1.00倍 |
| LoRAあり 8ステップ |
111.6秒 | 110.0〜113.9秒 | 1.87倍 |
| LoRAあり 6ステップ |
87.0秒 | 86.4〜87.8秒 | 2.39倍 |
| LoRAあり 4ステップ |
62.3秒 | 62.3〜62.9秒 | 3.34倍 |
いずれも同一機・同一プロンプトでの測定で、プロンプトや素材を変えると値は動く。実行ごとに1回あたり数秒の揺れが出たため、範囲を併記している。
この2表は配布元の検証範囲の外側にあたる
larryvrh側が検証したと示している範囲は、おおよそ124〜362フレームで、幅と高さは32の倍数、短辺は通常768とされている。この記事で測った56フレーム(2.33秒)や短辺480はその外側にあたるため、上の2表は配布元の想定内で確かめられた挙動ではなく、この記事独自の短尺テストとして扱う必要がある。
同じステップ数で比べるとLoRAありのほうが遅い
このLoRAは1ステップを速くする仕組みではない。ステップ数を揃えてLoRAの有無だけを変えると、所要時間はむしろ増える。864×480・56フレーム、seedを変えて3回実行した中央値。
| ステップ数 | LoRAなし | LoRAあり | 増分 |
|---|---|---|---|
| 8ステップ | 31.5秒 | 49.4秒 | +57% |
| 6ステップ | 26.5秒 | 36.6秒 | +38% |
| 4ステップ | 19.9秒 | 29.2秒 | +47% |
速くなるのはステップ数を減らせるからであって、1ステップが軽くなるからではない。今回は3つの設定すべてでLoRAあり・なしの両方を測っているため、設定を変えたときに上乗せがどう動くかまで実測として並べられる。
| 設定 | 8ステップ | 6ステップ | 4ステップ |
|---|---|---|---|
| 864×480・56フレーム | +57% | +38% | +47% |
| 1344×768・56フレーム | +25% | +24% | +22% |
| 1344×768・192フレーム | +7% | 測っていない | +7% |
時間だけの比較。画質は同一とは限らず、今回の定性評価では4ステップでLoRAありのほうが明確に細部が残った。56フレームは各3回の中央値、192フレームは各1回。
秒/ステップで見るとどこが増えているか
総時間をステップ数に対して直線で結んだときの傾きを、4ステップと8ステップの2点から求めた値で並べる。
| 設定 | LoRAなし | LoRAあり | 差 | 上乗せ |
|---|---|---|---|---|
| 864×480・56フレーム | 2.91秒/ステップ | 5.04秒/ステップ | 2.13秒/ステップ | +73% |
| 1344×768・56フレーム | 9.60秒/ステップ | 12.32秒/ステップ | 2.72秒/ステップ | +28% |
| 1344×768・192フレーム | 65.83秒/ステップ | 70.97秒/ステップ | 5.14秒/ステップ | +8% |
秒/ステップの差そのものは2.13→2.72→5.14秒/ステップと増えている。それでも上乗せの割合が+73%→+28%→+8%と薄まるのは、基準となる1ステップあたりの時間の伸びのほうが大きいため。
なお、これはサンプラー単体の計測ではなく総時間から求めた値で、2点から引いた直線であるため途中のステップ数での挙動までは保証しない。1ステップが重くなる理由も、ここでは機構として断定しない。実測として言えるのは、LoRAを適用すると1ステップあたりの総時間が増えた、というところまで。
速さだけならLoRAは要らない
時間短縮だけが目的なら、LoRAを入れずにステップ数を落とすほうが速い。1344×768・192フレーム(8.00秒)でLoRAなしのままステップ数を落とした場合を、LoRAあり4ステップと並べる (各1回)。
| 条件 | 生成時間 |
|---|---|
| LoRAなし 20ステップ |
1370.8秒 (22分51秒) |
| LoRAなし 8ステップ |
569.5秒 |
| LoRAなし 4ステップ |
306.2秒 |
| LoRAあり 4ステップ |
327.6秒 (5分28秒) |
LoRAなし4ステップの306.2秒は、LoRAあり4ステップの327.6秒より速い。速度だけを軸にすると、このLoRAを入れる理由は残らない。導入の判断は画質側で決まる。参考までに、864×480での見え方ではLoRAなし4ステップは背景まで溶ける水準だった。
画質: 差がはっきり出たのは4ステップ
864×480・56フレームでseed 12345を固定し、同じプロンプトで生成した動画の中ほどのフレームを比べた定性評価。
比べた素材
プロンプトは全条件で共通の次の1本で、前回のH3本体の測定でも同じものを使っている。
A calico cat sits on a wooden windowsill in soft morning light, slowly turning its head toward the camera, a gentle breeze moves the lace curtain, birds chirping outside, shallow depth of field, cinematic
朝の光が入る窓辺に三毛猫が座り、カメラのほうへゆっくり顔を向ける。手前ではレースのカーテンが風で揺れ、窓の外は浅い被写界深度でぼけている。毛並み・ひげ・レースの編み目・窓枠の木目といった細かい模様が同じ画面に入るため、ステップ数を削ったときにどこから崩れるかを見分けやすい被写体になっている。逆に、平坦な面が多い被写体では同じだけの差は出ない可能性がある。
| 条件 | 見え方 |
|---|---|
| LoRAなし 20ステップ |
毛並みとレースの編み目が細かく出る。基準にした状態 |
| LoRAなし 8ステップ |
20ステップよりわずかに柔らかいが、細部は残っていて実用になる |
| LoRAなし 6ステップ |
8ステップと同じく細部が残る。4ステップのような崩れは出ない |
| LoRAなし 4ステップ |
全体がぼやけ、毛が塗りつぶしたようになる。背景も溶けて絵画のような質感になる |
| LoRAあり 8ステップ |
20ステップと同等に細部が出る。ひげが1本ずつ判別できる |
| LoRAあり 6ステップ |
8ステップとの差は見つけにくい |
| LoRAあり 4ステップ |
同じ4ステップのLoRAなしより明確に細部が残る。ただし全体にわずかな靄がかかる |
6ステップと8ステップはLoRAなしでも細部が残る。LoRAの有無で見え方がはっきり違ったのは4ステップだけで、このLoRAの取り分は「4ステップまで削っても細部が残ること」に集約される。LoRAあり6ステップは8ステップとの差が見つけにくく、速度との折衷点になる。ただし1本のプロンプト・1つのシードでの見え方であり、被写体や構図が変われば印象は変わる。動画の音声は評価していない。
VRAMとComfyUIプロセスRAMのピークは動かなかった
全条件を通した最大値。RTX 5080 16GB、RAMはComfyUIプロセス単体のRSS。
| 項目 | LoRAなし | LoRAあり |
|---|---|---|
| VRAMピーク | 15509MB | 15523MB |
| ComfyUIプロセスのRAMピーク | 49.8GiB | 49.8GiB |
| LoRAのファイルサイズ | — | 591.6MiB |
VRAMはComfyUIの–reserve-vram 1.5を付けた状態での値で、RAMはシステム全体ではなくプロセス単体。この表から言えるのは、今回の条件でピークの差が実質見えなかったところまでで、あらゆる構成で増えないという意味ではない。ディスク側には591.6MiBのファイルが加わる。VRAMより先に ComfyUI プロセスの RAM が効いてくるという前回の結論は、LoRA を足しても変わらない。必要なメモリ量そのものについては、MiniMax H3をVRAM 16GBで動かす|ComfyUIでの導入手順とRTX 5080・5060 Ti実測で扱っている。
経路が違えば前提も変わる。larryvrh側の説明では、実行時にLoRAを当てる既定の動作ではピークVRAMが少し増えるとされている。low_vramを有効にすると重み側へ統合してピークVRAMは下がるが、量子化やpruned形式のベースでは結果が甘くなるとも書かれている。今回の測定は標準ローダー経路のため、この選択肢自体は使っていない。
同じLoRAでも2枚のカードで取り分が違った
RTX 5060 Ti 16GB (OCuLink接続) でも同じワークフローを回した。起動オプションはRTX 5080側と同一。864×480・56フレームはseedを変えて3回実行した中央値、1344×768は2回実行の中央値。括弧内は同じカードの「LoRAなし 20ステップ」を1.00倍としたときの基準比。
| 条件 | 864×480 | 1344×768 |
|---|---|---|
| LoRAなし 20ステップ |
137.3秒 (1.00倍) | 416.6秒 (1.00倍) |
| LoRAあり 8ステップ |
109.0秒 (1.26倍) | 232.1秒 (1.79倍) |
| LoRAあり 6ステップ |
86.4秒 (1.59倍) | 測っていない |
| LoRAあり 4ステップ |
62.5秒 (2.20倍) | 127.0秒 (3.28倍) |
同じステップ数どうしで2枚の所要時間を割ると、開きの出方がはっきりする。864×480・56フレーム、各3回の中央値どうしの比。
| 条件 | 5060 Ti ÷ 5080 |
|---|---|
| LoRAなし 20ステップ |
1.89倍 |
| LoRAなし 8ステップ |
1.99倍 |
| LoRAなし 6ステップ |
1.97倍 |
| LoRAなし 4ステップ |
1.98倍 |
| LoRAあり 8ステップ |
2.21倍 |
| LoRAあり 6ステップ |
2.36倍 |
| LoRAあり 4ステップ |
2.14倍 |
LoRAなしではステップ数を20から4まで振っても1.89〜1.99倍でほぼ動かない。一方でLoRAありでは2.14〜2.36倍に開く。ステップ数による変化では説明できず、LoRA適用時にカード間の差が広がったことが分かる。
同じステップ数でLoRAの有無だけを変えたときの増分をカード別に並べても、同じ向きが出る。864×480・56フレーム。
| ステップ数 | RTX 5080 | RTX 5060 Ti |
|---|---|---|
| 8ステップ | +57% | +74% |
| 6ステップ | +38% | +66% |
| 4ステップ | +47% | +59% |
今回の2枚では、RTX 5060 Ti側の上乗せ率がRTX 5080より大きかった。原因は特定していない。2枚は接続形態も演算性能も違い、演算性能・メモリ帯域・接続形態を分離した測定にはなっていないため、言えるのはLoRAを当てると2枚の差が広がった、という事実までになる。
この記事が測っていないこと
- lightx2v版のLoRAは未検証。larryvrh系統との速度・画質の比較もしていない
- larryvrhの専用カスタムノードを使う経路 (フル形式ベース) は測っていない。この記事の数値はすべて標準ローダーとdrbaphの変換版によるもの
- 配布元のリポジトリには、測定に使ったv4系より新しい実験版のファイル (experimental_v5_step_600.bin) も置かれているが、中身の性能は確かめていないため対象外
- 音声は聴いて確かめていない。配布元がプレビュー段階として挙げている改善中の項目にも音声が含まれる
- 1344×768の6ステップは、RTX 5060 Ti側のみ未計測
- 画質はseed 12345・1本のプロンプトで、動画の中ほどのフレームを比べた見え方に限る
導入前に確認したい点
LoRA自体はApache 2.0だが、動かす相手はMiniMax H3の重みで、そちらにはMiniMax H3 Community License Agreementが重ねて効く。MiniMaxは2026年8月3日にMiniMax H3のオープンソース化を発表しており、公開された重みにこのライセンスが適用される。
このライセンスは適用地域から欧州連合・英国・韓国・米国を除外しており、適用地域の外でMiniMax H3 Worksやその出力・結果を使用・複製・改変・配布・表示することを認めていない。日本はこの除外地域に含まれていない。
また、MiniMax H3またはMiniMax H3 Worksを使う商用の製品・サービスは、そのUIに「MiniMax H3」を表示する必要がある。加えて、その商用の製品・サービスが年間2000万米ドルを超える収益を生む場合は、MiniMaxから別途書面での許諾を得る必要がある。表示義務も収益条件も対象はH3を使う製品・サービスであって、事業全体の売上にかかる条件ではない。
ライセンス本文に付属するAcceptable Use Policyには、もう1点ある。H3で作った情報や画像・コード・投稿・記事を公開の場に出すとき、それが機械生成であることを明確かつ目立つ形で開示しないまま出すことを禁じている。こちらは商用かどうかを問わない。ライセンス本文は重みの配布ページから読める。
よくある質問
まず何ステップから試すのが無難か
標準ローダーとdrbaphの変換版で始めるなら、推奨域は6〜8ステップ。配布ページには6ステップの推奨ワークフロー例と、8ステップを開始点とする記述が併存している。ただし8ステップはLoRAなしでも細部が残る領域なので、そこだけを回してもLoRAの効き目は判別しにくい。導入の可否を決めたいなら、4ステップをLoRAあり・なしの両方で1本ずつ出して見比べるのが早い。
短いクリップしか作らないが、入れる価値はあるか
時間短縮を目当てにするなら取り分は小さい。864×480・56フレームでの倍率は最大でも2.49倍で、もともとの待ち時間自体が短いため、縮められる絶対量も限られる。短尺で価値が出るとすれば、同じ待ち時間の中でステップを削っても細部が残る側になる。
RTX 5060 Tiクラスのカードでも取り分はあるか
ある。RTX 5060 Tiでも864×480・56フレームのLoRAあり4ステップで2.20倍、1344×768・56フレームでは3.28倍まで縮んだ。ただし同じステップ数で比べたときの上乗せ率は、今回の2枚ではRTX 5080より大きかった。原因は分離できていないため、他のカードへの一般化はできない。
推奨設定が2種類あるのはどちらに従えばよいか
使う経路で決まる。larryvrhの専用カスタムノードを入れるならスケジューラはsimple、strengthは1.0のまま、実用域は4〜8ステップ。ComfyUI標準のLoRAローダーでdrbaphの変換版を読むなら6〜8ステップ・eulerサンプラー・betaスケジューラ。値だけを片方から持ってきて組み合わせる使い方は想定されていない。
生成した動画を公開するときに必要なことは
Acceptable Use Policyが求めているのは、機械生成であることを明確かつ目立つ形で開示することで、これは商用かどうかを問わない。UIへの「MiniMax H3」表示と年間2000万米ドルの条件はいずれもH3を使う商用の製品・サービスに掛かるものなので、私的な投稿として出す場合と、事業として提供する場合とで確認すべき項目が変わる。

