デルが2026年6月、AI対応をうたうビジネス向けノートPCを一挙に投入しました。薄型軽量の「Dell Pro 3」シリーズ4機種と、モバイルワークステーションの「Dell Pro Precision 5」シリーズ2機種の計6機種です。標準構成の価格は20万3,369円から43万733円まで開きがあります。
カタログには「AI対応」「次世代AI性能」と並びます。ところが、いざ手元でローカルのLLMや画像生成を動かそうとすると、機種によって動く・動かないがはっきり分かれます。同じ「AI対応」でも中身が違うからです。この記事では6機種を題材に、「AI対応」の正体と、ローカルAIで実際にどこまで動くのかを、スペックの意味から順に見ていきます。Dell Pro 3とPro Precision 5の違いも、ここで整理がつきます。
- Dell Pro 3は薄型軽量の日常業務向け4機種、Pro Precision 5は持ち運べるモバイルワークステーション2機種
- 「AI対応」の正体はNPU。ただし同じPro 3でも、Core 5 320機は16 TOPS、Ryzen AI機は50 TOPSとNPUのピーク性能が3倍違い、Copilot+ PCの線をまたぐ
- 本格的なローカルLLM・画像生成はVRAM次第。Pro Precision 5の最上位で選べるGPUもVRAM 8GBで、現実的には7B級の量子化モデルや軽い画像生成が目安。本格派はより大きなVRAMのGPU(据え置きのデスクトップ等)を検討する
本記事で比較する6機種の全体像|Pro 3とPro Precision 5はどう違う
まず全体像から。デルが発売したのは、薄型軽量のビジネスノート「Dell Pro 3」シリーズ4機種と、モバイルワークステーション「Dell Pro Precision 5」シリーズ2機種です。役割分担ははっきりしています。Pro 3はメール・資料作成・Web会議といった日々の業務を、持ち運びながら快適にこなす方向。Pro Precision 5は排熱設計を見直し、14型・16型でも腰を据えた作業に向く構成です。ただし「ワークステーション」という名前から連想するほどの重量級GPUを積むわけではない、という点が後で効いてきます。
なお本記事は、2026年6月に日本で発売されたDell Pro 3の4構成(Core 5 320/Ryzen AI 5 PRO 435の14型・16型)と、Dell Pro Precision 5シリーズの14型・16型の計6機種を対象とします。Dell日本の製品一覧に掲載されるPro Precision 5S系やAMD版など、別系統の構成は対象外です。
6機種は、シリーズ・サイズ・CPUの組み合わせで分かれています。価格は標準構成で約20万円から43万円まで。内訳を一覧にすると次のとおりです。
| シリーズ | サイズ | CPU(標準構成) | 標準構成の価格 |
|---|---|---|---|
| Dell Pro 3 | 14型 | Core 5 320 | 約20.3万円(最小1.31kg) |
| Dell Pro 3 | 16型 | Core 5 320 | 約21.9万円 |
| Dell Pro 3 | 14型 | Ryzen AI 5 PRO 435 | 約23.8万円 |
| Dell Pro 3 | 16型 | Ryzen AI 5 PRO 435 | 約25.6万円 |
| Dell Pro Precision 5 | 14型 | Core Ultra 5 336H vPro | 約38.4万円 |
| Dell Pro Precision 5 | 16型 | Core Ultra 5 336H vPro | 約43.1万円 |
価格は2026年6月時点で確認したデル発表の標準構成(税込)によるもので、選択構成や時期により変動します。注目したいのは、同じ「Dell Pro 3」でも搭載CPUが「Core 5 320」と「Ryzen AI 5 PRO 435」の2系統に分かれている点。この差が、次に見る「AI対応」の中身を大きく左右します。
インターフェースは対象6機種ともビジネス利用に必要なものをひと通り備えます。USB-C(PC Watch掲載の発売時構成ではThunderbolt 4を2基)、HDMI 2.1、Gigabit Ethernet、無線は発売時に確認できる標準構成で、Pro 3のCore 5機がWi-Fi 6、Ryzen AI機がWi-Fi 6E、Pro Precision 5がWi-Fi 7です(構成や販売時期で変わる可能性があるため、購入前にデル公式の該当モデルの仕様を確認してください)。外部ディスプレイや有線LANを使う職場でも、アダプタなしで運用しやすい構成です(ポート構成は型番・CPU系統で差が出るため、購入前にDell公式の該当モデルの仕様で確認してください)。両シリーズとも再生素材を多く使い、修理しやすいモジュラー型設計を採用している点も共通します。実際に交換できる部品は型番ごとのサービスマニュアルで確認が必要ですが、長く使う前提のビジネスノートでは着目したい設計です。
排熱設計と持続性能|Pro Precision 5が一段上を狙える理由
Pro Precision 5がPro 3と差をつけるのが排熱設計です。高性能なCPUやGPUは、負荷がかかると発熱し、熱がこもるとPCは部品を守るために自動で性能を落とします。これがサーマルスロットリング(過熱を防ぐための速度低下)です。AIの推論や画像生成、レンダリングは数分から数十分にわたって負荷が続くため、瞬間的な最高性能より「高い性能を維持できる時間」が効いてきます。デルはPro Precision 5で排熱設計の見直しを訴求しており、狙いはこの持続性能の確保にあります。薄型を優先したPro 3とは設計の優先順位が違うわけですが、本記事では対象機の持続性能ベンチを実測していないため、実際にどこまで性能を維持できるかはレビューや実機検証で確認してください。いずれにせよ、後で見るとおり積めるGPUのVRAMには上限があり、排熱に余裕があっても動かせるモデルの規模はそこで決まります。
「AI対応」の正体はNPU|同じPro 3でもNPU性能は3倍違う
6機種が「AI対応」をうたう根拠は、CPUに組み込まれたNPU(Neural Processing Unit、AI演算に特化した処理ユニット)です。AI処理そのものはCPUやGPU、クラウドのAPIも担いますが、Copilot+ PCのようなオンデバイスAIで中核になるのがこのNPUです。NPUの仕組みはNPUとは何かを解説した記事で詳しく扱っていますが、ざっくり言えば「消費電力を抑えながら、決まった種類のAI処理を高速にこなす専用回路」。CPUやGPUとは役割が異なります。
ここで見落としやすいのが、NPUの性能が機種によって大きく違うこと。NPUの処理能力はTOPS(Tera Operations Per Second、1秒あたり何兆回の演算ができるか)で表されます。6機種のCPUを公式仕様で並べると、その差がはっきりします。
| CPU | 搭載機種 | NPU性能(Int8) | Copilot+ PCの主要NPU要件(40+ TOPS) |
|---|---|---|---|
| Core 5 320 | Pro 3(下位の2機種) | 16 TOPS | 満たさない |
| Ryzen AI 5 PRO 435 | Pro 3(上位の2機種) | 50 TOPS | 満たす |
| Core Ultra 5 336H | Pro Precision 5(14型・16型) | 47 TOPS | 満たす |
同じ「Dell Pro 3」でも、Core 5 320を積む下位モデルのNPUは16 TOPS。対してRyzen AI 5 PRO 435モデルは50 TOPSと、NPUの公称ピーク性能に3倍以上の開きがあります(TOPSはあくまでNPUのピーク演算性能で、AI処理全体の体感速度をそのまま表す値ではありません)。この差は実用上の意味を持ちます。マイクロソフトの「Copilot+ PC」は、40 TOPS以上のNPUを主要な条件とするWindows PCの区分です(実際の対応はWindowsの構成やメモリなどにも左右されます)。Ryzen AI 5 PRO 435(50 TOPS)搭載のPro 3と、Core Ultra 5 336H(47 TOPS)搭載のPro Precision 5は、デル公式の販売ページで「Copilot+ PC」構成として案内されています。一方、Core 5 320(16 TOPS)は40 TOPSに届かず、Copilot+ PCには分類されません。
ひとつ分けて押さえておきたいのが、Web会議の背景ぼかしや視線補正といったWindows Studio Effectsです。これはCopilot+とは別枠で、「対応NPUと、メーカー(OEM)側のドライバー実装」が条件。Intelの公式仕様では、40 TOPSに届かないCore 5 320も、製品仕様の「Windows Studio Effects Support」欄が「Yes」と記載されています。つまりCopilot+ PCでなくても、対応NPUを使う機能が用意されているわけです。ただし実際に使える効果や表示可否は、Windows 11の対応バージョン、対応NPU、メーカー(OEM)側のドライバー実装、カメラ構成などに左右されます。搭載機ごとに、対象機の仕様やデル公式のサポート情報で確認してください。
いずれにせよ、いちばん安いPro 3(Core 5 320・約20万円)を「AI対応だから」と選ぶと、Copilot+ PC向けの機能は使えない、ということが起こり得ます。「AI対応」の表記だけでなく、搭載CPUとそのNPUのTOPS値まで確認する必要があるわけです。同じシリーズ名でも中身が違う——これがこの記事でいちばん伝えたい点です。
NPUが得意なAI処理と、苦手なAI処理
NPUが本領を発揮するのは、消費電力を抑えながら決まった種類のAI処理を継続的にこなす場面です。Web会議でのリアルタイムなノイズ除去や背景ぼかし、音声の文字起こし、写真の自動補正などが代表例。マイクロソフトはCopilot+ PCを、40 TOPS以上のNPUを使うオンデバイスAI体験向けのWindows PCと位置づけています。Windows Studio Effectsのように、対応NPUを使うオンデバイスAI機能が用意されています。バッテリー駆動のノートPCと相性が良い、軽量タスクの領域です。Pro 3のような薄型機が「AI対応」をうたうのは、主にこの守備範囲を指していると考えられます。
一方、本記事で想定するOllamaでの大きめのローカルLLMや、Stable Diffusion・SDXL・ComfyUIの一般的な画像生成では、現状はGPUとVRAMの容量が効きます。NPU対応のランタイムやCopilot+の一部の生成AI機能は別枠で存在しますが、任意のLLMや画像生成モデルをそのままNPUで快適に動かせるとは限りません。重い処理を本気でやるなら、見るべき物差しはGPUのVRAMに移ります。次のセクションで詳しく見ます。
ローカルでLLM・画像生成を動かすならVRAM|6機種で実際どこまで動くか
手元で大型のLLMを動かす、画像を生成するといった用途で効くのが、GPUのVRAM(Video RAM、GPUが専用に使うメモリ)です。VRAMの必要容量を解説した記事でも触れていますが、モデルのデータをこのVRAMに載せきれるかどうかが、動く・動かないの境目になります。
VRAM容量ごとに動かせる目安を整理すると、次のようになります。
| VRAM容量 | 動かせるAI用途の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 8GB | Stable Diffusion 1.5、7Bクラスのローカルモデル(量子化前提) | SDXLや10B超のモデルは厳しい場面が多い |
| 12GB | SDXLの画像生成、8Bクラスのモデルが動かしやすい | 14B級は量子化(データを圧縮して軽くする手法)が前提 |
| 16GB | 12B〜14B級のLLM、高解像度の画像生成 | 当サイトの検証環境のRTX 5080単体でこの帯を確認 |
ただしこの表は公式の要件ではなく、当サイトの検証や一般的な量子化・解像度を前提にした参考目安です。必要なVRAMは量子化の方式、画像の解像度、コンテキスト長、実行基盤、CPU・RAMへのオフロードの有無で変わり、表の区分どおりの快適動作を保証するものではありません。その前提で、6機種を見ると現実が見えてきます。
Pro 3は内蔵グラフィックス|大型ローカルAIは想定外
Pro 3が積むのは、CPU内蔵のグラフィックス(Ryzen AI機はRadeon系、Core機はIntel Graphics)です。内蔵グラフィックスには専用VRAMがほとんどなく、システムのメインメモリを間借りする方式。このため、上の表でいう専用VRAMを前提としたGPU推論や画像生成には向きません。小型のモデルをCPUや共有メモリで動かせる場合はありますが、本記事が想定する快適なローカルLLM・画像生成の用途からは外れます。Pro 3は「クラウドのAIを使う」「NPUで軽量なAI処理をする」用途に向く、と割り切るのが正確です。
Pro Precision 5の最上位でもVRAMは8GB|7B級が目安
では、ワークステーションを名乗るPro Precision 5なら大型モデルが動くのか。ここが誤解しやすいところです。Pro Precision 5の標準構成も内蔵グラフィックスで、ディスクリートGPUは上位オプション。16型モデル(PW516261)が、最大でNVIDIA RTX PRO 2000(Blackwell世代)のノート向けGPUに対応します。
このRTX PRO 2000(ノート向け)のVRAMは8GBです。さきほどの表に照らすと、Stable Diffusion 1.5や7Bクラスのモデルを量子化して動かす、というあたりが現実的な目安。SDXLや10B超のモデル、高解像度の画像生成は、量子化や解像度、コンテキスト長、CPU/RAMへのオフロードの工夫しだいで可否が変わり、快適に動くとは限りません。「ディスクリートGPUを積めるワークステーション」と聞いて本格的なローカルAIを期待すると、VRAM 8GBという上限に突き当たります。Pro Precision 5は「内蔵より一段上のGPU処理ができる」けれど「本格的な大型ローカルAIには届きにくい」——この中間の位置づけを押さえておくことが大切です。同じCore Ultra世代のノートで使用感を確かめたい場合は、Core Ultra搭載ノートのレビューも参考になります。
参考までに、筆者環境での測定値を挙げます。当サイトの検証環境(RTX 5080単体・Ollama・num_ctx=4096・4bit量子化)では、26B(A4B、Googleの説明では推論時に約3.8Bパラメータを有効化するMoE構成)のgemma4がVRAMを約15.1GB占有しました(参考値として毎秒28トークン前後)。Ollamaのバージョンやモデルタグ、測定回数といった再現条件の一部は公開していないため、厳密な実測ではなく、筆者環境での傾向を示す参考値として扱ってください。それでもVRAM 16GBをほぼ使い切る水準で、MoE構成のおかげで体感速度は出ます。Pro Precision 5のRTX PRO 2000はこの半分の8GBですから、同じクラスのモデルを快適に動かすのは難しいと分かります。MoEモデルが省電力で動く様子はRTX 5080でMoEの消費電力を実測した記事で、VRAM容量ごとの動作境界は22Bまで動作・32Bは全滅という実測記事でそれぞれ確かめています。
なお「ローカルだからデータが外部に出ない」と無条件に言い切るのは正確ではありません。ローカルのモデルだけを使い、クラウド連携やWeb検索機能を切った状態であれば外部の推論APIへは送られませんが、外部モデルへの接続やWeb検索連携、拡張機能、クラウド同期などを有効にするとデータは外へ出ます。プライバシーを重視するなら、使うツールの設定を確認することが前提になります。
用途別の選び方|やりたいAIから逆算する
ここまでをまとめると、機種選びはやりたいAI用途を先に決めるのが近道です。用途を3つに分けると、見るべきスペックが変わります。
クラウド・API型のAIが中心なら、GPUは要らない
ChatGPTやClaudeをブラウザで使う、あるいはClaude CodeやGitHub CopilotのようにクラウドのLLMを呼び出すコーディング支援が中心なら、強力なGPUは不要です。処理の本体はクラウド側にあるため、手元で効くのはRAM容量とSSD速度、快適なキーボードや画面。この使い方ならPro 3の標準的な構成でも対応できます。ただしブラウザのタブやIDE、Web会議アプリを同時に使う業務では、RAM容量(標準構成は8GBまたは16GB)に余裕があるかを確認してください。なお、クラウドやAPI型のツールは入力したコードや文書が外部サービスへ送信されることがあります。機密情報の扱い、社内規程、料金プランやAPI課金の条件も合わせて確認しておくと安心です。クラウド型コーディングに必要な手元のスペックはClaude Codeの推奨スペックを整理した記事で具体的に扱っています。
オンデバイスの軽量AIが目的なら、NPUのTOPSを見る
Web会議のノイズ除去や字幕生成、写真の自動補正といったオンデバイスの軽量AIが目的なら、NPU搭載機が適合します。ここで効くのが前述のTOPS値。Copilot+ PC向けの機能まで使いたいなら40 TOPS以上が必要で、Core 5 320機(16 TOPS)では足りません。Ryzen AI機(50 TOPS)やPro Precision 5(47 TOPS)を選ぶことになります。AI用ノートPCをスペックから選ぶ手順はAI用ノートPCの選び方をまとめた記事も参考になります。
本格的なローカルLLM・画像生成なら、今回の6機種では物足りない
手元で大型のローカルLLMを動かす、ComfyUIなどで本格的に画像生成をする、という用途は、今回の6機種では物足りません。Pro Precision 5の最上位でもVRAMは8GB。本気で取り組むなら、より大きなVRAMを積むデスクトップGPUや、VRAMを多く積める上位のモバイルワークステーション(デルなら別系統の据え置き・上位機でRTX PROシリーズのGPUを搭載できるモデル)も比較対象に入れてください。ローカルLLMの仕組みはローカルLLMの始め方を解説した記事、実行ツールはOllama入門やComfyUIの始め方でそれぞれ扱っています。
まとめ
Dell Pro 3とPro Precision 5の6機種は、用途の重さで2系統に分かれます。Pro 3は薄型軽量の日常業務向け4機種、Pro Precision 5は持ち運べるモバイルワークステーション2機種。ただし「AI対応」の中身は機種でばらつきます。同じPro 3でもCore 5 320機はNPU 16 TOPSでCopilot+ PCの要件に届かず、Ryzen AI機は50 TOPSで対応する。Pro Precision 5も47 TOPSのCore Ultra 5 336Hを積み、Copilot+対応です。
そして、手元で大型のローカルLLMや本格的な画像生成を動かしたいなら、見るべきはNPUではなくGPUのVRAM。Pro 3は内蔵グラフィックスで専用VRAMがなく、Pro Precision 5の最上位で選べるGPUもVRAM 8GBで、本記事の目安では7B級の量子化モデルや軽い画像生成どまりです。本格派はより大きなVRAMのGPU(据え置きのデスクトップ等)を検討する——これがAI PC選びでいちばん大事な分岐点になります。
進め方としては、まず自分のやりたいAI用途が「クラウド・API型」「オンデバイス軽量」「本格ローカル」のどれかを決めること。そのうえで、API型ならRAMとSSD、オンデバイスならNPUのTOPS、本格ローカルならVRAM容量、と見るべきスペックを照合すれば、6機種のどれで足りるのか、あるいはこの6機種では物足りず別の選択肢が要るのかが見えてきます。価格や標準構成の最新値は、検討する型番についてデル公式で確認するのが確実です。
| 対象シリーズ | Dell Pro 3(4機種)/Dell Pro Precision 5(2機種) |
|---|---|
| 価格帯 | 標準構成で約20.3万円〜43.1万円(2026年6月・デル発表) |
| NPU性能(Int8) | Core 5 320=16 TOPS(Copilot+非対応)/Ryzen AI 5 PRO 435=50 TOPS・Core Ultra 5 336H=47 TOPS(いずれもCopilot+対応) |
| ディスクリートGPU | Pro Precision 5の16型が最大でRTX PRO 2000(VRAM 8GB)に対応/Pro 3は内蔵グラフィックスのみ |
| AI用途の要点 | オンデバイス軽量=NPUのTOPS/本格ローカルLLM・画像生成=GPUのVRAM容量(8GBは7B級の量子化モデルが目安) |
よくある質問(FAQ)
Q. Dell Pro 3でローカルLLMは動く?
軽量なオンデバイス処理は得意ですが、大型のローカルLLMを快適に動かすのは難しいです。Pro 3の内蔵グラフィックスには専用VRAMがほとんどなく、モデルをVRAMに載せて推論する用途には向きません。小型モデルをCPUや共有メモリで試せる場合はありますが、本格的に動かすなら据え置きのGPU搭載デスクトップが現実的です。
Q. いちばん安いPro 3でもCopilot+ PCの機能は使える?
Copilot+ PC向けの機能は使えない場合があります。Pro 3のうちCore 5 320を積むモデルはNPUが16 TOPSで、Copilot+ PCの要件である40 TOPSに届きません。Copilot+の機能まで使いたいなら、NPU 50 TOPSのRyzen AI 5 PRO 435モデルか、Pro Precision 5を選んでください。なお、Web会議の背景ぼかしなどのWindows Studio EffectsはCopilot+とは別要件で、Core 5 320でも対応するとされています(ただしWindows 11の対応バージョン、対応NPU、メーカー側のドライバー実装が前提で、40 TOPS未満のNPUでは使える効果が背景ぼかしや標準のEye Contactなどに限られる場合があります)。
Q. Pro 3とPro Precision 5の違いは?
Pro 3は薄型軽量で日常業務向けの4機種、Pro Precision 5は排熱を見直したモバイルワークステーション2機種です。NPUは上位モデルなら47〜50 TOPS級でいずれもCopilot+対応ですが、Pro Precision 5は16型でディスクリートGPU(最大RTX PRO 2000)を選べる点が違います。ただしそのVRAMは8GBで、本格的な大型ローカルAIには届きにくいのが実情です。
Q. AI PCのNPUで画像生成はできる?
Stable DiffusionやSDXLのような画像生成は、基本的にGPUのVRAMを使う処理で、NPUの主担当ではありません。NPUが得意なのは背景ぼかしや字幕生成などの軽量タスク。本格的な画像生成にはVRAM 8GB以上、SDXLなら12GB以上を見ておくと余裕があります(必要量は解像度やワークフロー、実行基盤で変わります)。
Q. AI用途を重視するなら、まず何を確認すればいい?
やりたいAI用途を先に決めてください。クラウド・API型ツールならRAMとSSD、オンデバイスAIならNPUのTOPS(Copilot+なら40 TOPS以上)、本格ローカル推論ならディスクリートGPUのVRAM容量、と見るべきスペックが変わります。用途を決めずに「AI対応」の表記だけで選ぶと、期待とのズレが起きやすくなります。
参考資料
- PC Watch: 次世代AIビジネスノート「Dell Pro 3」など6機種が一挙デビュー(発売・価格・構成)
- Dell 公式ニュースルーム: Dell Reimagines Commercial PCs(製品ラインナップ発表)
- Dell 公式: NVIDIA RTX PRO GPU搭載 Dell Pro Precision(GPU構成)
- Intel: Core Ultra 5 336H 製品仕様(NPU 47 TOPS/Windows Studio Effects対応)
- Intel: Core 5 320 製品仕様(NPU 16 TOPS/Windows Studio Effects対応)
- AMD: Ryzen AI 5 PRO 435(NPU 50 TOPS)
- Microsoft Learn: Copilot+ PC とNPU(40+ TOPS要件)
- Microsoft Learn: Windows Studio Effects(対応NPU+ドライバー要件)
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