クラウドGPUを借りるのとAI用グラボを買うのはどちらが安いか|何時間使えば買ったほうが得か

クラウドGPUとAI用グラボ借りる費用と買う費用の比較(模式図) GPU・グラフィックボード

この記事の要点

月に動かす時間が短いうちは、GPUを買うよりクラウドで時間ぶん借りるほうが安い。同じ容量のカード同士で比べると、毎日数時間ほど動かす使い方では、買ったカードが借りる料金に追いつくまで何年もかかる。その年数が、カードを使い続けるつもりの年数より長ければ借りるほうが安い。

学習素材や生成物をサービスのストレージに置きたくない場合や、毎日長く動かしてそのカードを何年も使い続ける場合は、手元のカードが向く。

手元のカードに載らない大きいモデルや学習は、その作業のときだけ容量の大きいカードを時間で借りる組み合わせにできる。

初めて選ぶ場合は「料金以外で手元のGPUが向く場合と、クラウドが向く場合」まで読めば判断できる。料金や価格を確かめた日、ドルを円に直した値、計算に入れていない費用は「計算の前提と、計算に入れていない費用」にまとめた。

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借りるか買うかは、月に何時間GPUを動かすかで大きく変わる

最初に見積もるのは、自分が月に何時間GPUを動かすかだ。画像生成や学習、ローカルLLMを週末に少し触るだけなのか、毎晩長く回すのかで、どちらが安いかの答えが変わる。

買う場合と借りる場合では、お金の出ていき方が違う。買う場合は最初にカードの購入額をまとめて払い、そのあとは動かした時間ぶんの電気代がかかる。借りる場合は購入額が無い代わりに、動かした時間ぶんの料金を払い続ける。

そのため、カードを1時間動かすごとに、買った場合は「借りる1時間の料金」と「手元の1時間の電気代」の差額ぶんだけ得をしていく。購入額をこの1時間あたりの差額で割ると、買ったほうが安くなるまでに何時間動かせばよいかが出る。その時間を、自分が月に動かす時間で割れば、何か月で追いつくかの目安になる。その月数が、カードを使い続けるつもりの期間より長ければ借りるほうが安く、短ければ買うほうが安い (カードを売った額は入れていない)。

この計算は、手元のカードを動かす時間と、クラウドで料金がかかる時間を同じと置いている。クラウドでは、インスタンスが料金のかかる状態にある間は、GPU が計算している間だけでなく、入力を待つ時間や、起動したあとに環境を整える時間にも料金がかかる。どこから料金がかかり始めるかはサービスごとに違い、Vast.ai では、イメージを読み込んでいる間 (Loading と表示される間) は利用料がかからないと、よくある質問にある。ただしストレージ代は、インスタンスがある間は動いているかどうかにかかわらずかかる。同じ作業にかかる時間が手元とクラウドで違う場合は、それぞれの時間で計算し直す必要がある。また、この割り算で時間が出るのは、借りる1時間の料金が手元の1時間の電気代より高い場合だけで、同じかそれより安ければ、買ったカードが借りる料金に追いつくことはない。

手元の1時間の電気代は、カードの公称の消費電力と、電気代の目安単価から出した。NVIDIA の公称の消費電力 (TGP) は RTX 5060 Ti 16GB が 180W、RTX 5080 が 360W だ。単価には、全国家庭電気製品公正取引協議会が2022年7月22日に改定した目安単価 31円/kWh (税込) を使った。これは目安単価であって、各家庭の契約の単価ではない。

この2つから、カードが1時間動いたときの電気代は RTX 5060 Ti 16GB で約5.6円、RTX 5080 で約11.2円と計算した。これはカードだけの公称値で、CPU・メモリ・電源の変換損失を含むPC全体の電力ではなく、PC全体の電力は測っていない。また、この値はカードが公称の消費電力のまま動き続けた場合のもので、実際の消費電力は作業によって変わる。CPU・メモリなどの電力が加わると、買ったほうが安くなるまでの時間は長くなる。カードの消費電力が公称値より低い作業では、その時間は短くなる。

同じ16GBのカードで比べると、買ったほうが安くなるまで何時間かかるか

表「組み合わせごとの、買ったほうが安くなるまでの時間」の4つの組み合わせでは、買ったほうが安くなるまでに約3,700〜21,100時間かかる。1日4時間なら約2.5〜14.4年、1日8時間でも約1.3〜7.2年で、1日に動かす時間が長いほど年数は短くなる。

買う場合の価格は、楽天市場に出店している店のうち、当サイトが価格を調べているPC専門店・家電量販店・大手通販で、在庫ありの新品がいちばん安かった値段を使った。2026年11月4日の時点で、RTX 5060 Ti 16GB が約16.3万円、RTX 5080 が約39.8万円だった。店の直販サイトなど楽天市場の外の値段は含めておらず、市場全体でいちばん安い値段とは限らない。機種と店によって値段は違い、どちらもカードを買う場合の価格で、PC本体は含まない。今のPCの電源やケースにそのまま積める場合の計算で、電源などの交換が要るなら、その費用も購入額に足す。

PCを持っていない場合の比較として、RTX 5060 Ti 16GB を積んだ完成品のPCも並べた。BTO(注文を受けてから組み立てる完成品のパソコン)のメーカー9社で、2026年10月28日に構成が決まった状態で注文できた機種の表示価格の中央値が約39.5万円だった。メモリ・SSD・電源の構成は機種ごとに違う。

借りる場合は、VRAM(GPUに載っている専用のメモリ。モデルの重みや計算途中のデータを置く)の容量が同じ16GBのカードを並べた。国内の GPUSOROBAN (ハイレゾ) の高速コンピューティングでは、RTX A4000 1枚のプランが従量課金で1時間50円だった。Vast.ai では、2026年11月5日の表示で RTX 5080 が from $0.19 (表示された中でいちばん安い値段)、median $0.27 (表示された値段の中央値) だった (どちらも1時間あたり)。Vast.ai の価格は貸し手同士の市場で決まるため、この表示は確認した時点の値だ。また、この表示が、ほかの利用者の申し込みで止められることがない借り方の値なのかは、ページ上では確かめられていない。そのため、Vast.ai を借りる2行は参考の試算で、実際に借りるときの料金で計算し直す必要がある。

ドルの料金は、三菱UFJ銀行が公表した2026年11月5日の米ドルの TTS(銀行が円を外貨に替えるときの値段)159.21円と、TTB(銀行が外貨を円に替えるときの値段)157.21円の中間にあたる 158.21円で円に直した。クレジットカードで払う場合は、カード会社の換算レートと手数料がかかり、この値とは違う。

これらの価格と料金から、買ったほうが安くなるまでの時間を組み合わせごとに計算し、表「組み合わせごとの、買ったほうが安くなるまでの時間」にまとめた。購入額を、借りる1時間の料金から手元の1時間の電気代を引いた額で割って時間を出し、1日4時間と1日8時間、毎日使った場合の年数に直している。どれも実測ではなく計算の値で、速さの違い・カードを売った額・PC全体の電力・クラウドの税とストレージ代は入れていない。たとえば RTX 5060 Ti 16GB を買って RTX A4000 を借りる行は、約16.3万円 ÷ (50円 − 約5.6円) で約3,700時間になる。

比べた組み合わせ 時間 1日4時間なら 1日8時間なら
RTX 5060 Ti 16GB を買う / RTX A4000 を 50円で借りる 約3,700時間 約2.5年 約1.3年
RTX 5080 を買う / RTX 5080 を median $0.27 で借りる 約12,600時間 約8.6年 約4.3年
RTX 5080 を買う / RTX 5080 を from $0.19 で借りる 約21,100時間 約14.4年 約7.2年
完成品のPC (RTX 5060 Ti 16GB) を買う / RTX A4000 を 50円で借りる 約8,900時間 約6.1年 約3.0年

RTX A4000 は RTX 5060 Ti・RTX 5080 とは別のカードで、この記事では速さを比べていない。VRAM の容量が同じ16GBという意味で並べており、RTX A4000 を借りる行は、速さの違いを入れずに計算した値だ。16GBのカードの価格帯ごとの速さの違いは、VRAM 16GBの3つの価格帯を構成と速さで比べた記事で詳しく扱っている。

買ったほうが安くなるまでの時間買ったカードが借りる料金に追いつくまでの時間を、比べた組み合わせごとに並べるRTX 5060 Ti 16GB を買う / RTX A4000 を 50円で借りる約3,700時間RTX 5080 を買う / RTX 5080 を median $0.27 で借りる約12,600時間RTX 5080 を買う / RTX 5080 を from $0.19 で借りる約21,100時間完成品のPC (RTX 5060 Ti 16GB) を買う / RTX A4000 を 50円で借りる約8,900時間単位: 時間
図: 購入額 ÷ (借りる1時間の料金 − 手元の1時間の電気代) で計算した時間 (実測ではない)。カード価格は2026年11月4日、完成品PCの価格は2026年10月28日、クラウドの料金と為替は2026年11月5日の値、1ドル = 158.21円、電気代はカードの公称値 × 31円/kWh

RTX 5060 Ti 16GB を買って GPUSOROBAN の RTX A4000 を借りる場合と比べた行が、4つの組み合わせの中でいちばん短い。それでも1日4時間の使い方では年単位の時間がかかり、毎日8時間動かしても数か月では追いつかない。週末だけ触る程度で月20時間ほどなら、この行でも約3,700時間 ÷ 20時間で約185か月 (約15年) かかる。

RTX 5080 を買って Vast.ai の RTX 5080 を借りる場合と比べた2行では、借りる値段を median ではなく from の表示で計算したほうが、追いつくまでの時間が長い。借りる料金が安いほど、1時間ごとに得をする差額が小さくなるためだ。

完成品のPC (RTX 5060 Ti 16GB) を買う行は、PCをまだ持っていない読者向けの行だ。カードだけを買う場合より購入額が大きいため、同じカードを積んでいても、カードだけを買う行より追いつくまでの時間が長い。電気代はカードの公称値だけで計算しており、PC全体ではない。今注文できる完成品は、BTOパソコン選定ツールで絞り込める。

クラウドGPUの料金は、1時間の単価だけでは決まらない

借りるサービスを選ぶときは、1時間の単価のほかに、課金の刻み方と使い始めに要る残高、止めている間のストレージ代、止めたときに何が消えるかを見比べる。単価が近くても、使い方によって払う額や手間が変わる。

買ったほうが安くなるまでの時間の計算に使った料金と価格に、円に直した参考の料金を加えて、表「計算に使った料金と価格の一覧」にまとめた。RunPod の2行は参考で、買ったほうが安くなるまでの時間の計算には使っていない。どれも実測ではなく、公開されている料金・価格・公称値だ。ドルの料金は 1ドル = 158.21円 (三菱UFJ銀行 2026年11月5日の TTS と TTB の中間) で円に直し、電気代はカードの公称の消費電力に 31円/kWh を掛けて出した。購入価格は2026年11月4日、完成品の価格は2026年10月28日の値で、ほかは2026年11月5日に確認した。

項目 値 1時間あたり
RTX 5060 Ti 16GB を買う 約16.3万円 (在庫ありの新品でいちばん安い値段) 電気代 約5.6円 (公称 180W)
RTX 5080 を買う 約39.8万円 (在庫ありの新品でいちばん安い値段) 電気代 約11.2円 (公称 360W)
RTX 5060 Ti 16GB を積んだ完成品のPCを買う 約39.5万円 (9社の中央値) 電気代 約5.6円 (カードの公称 180W だけ)
GPUSOROBAN で RTX A4000 (16GB) を借りる 1時間 50円 (税込) 50円
Vast.ai で RTX 5080 (16GB) を借りる median $0.27 / from $0.19 約42.7円 / 約30.1円
RunPod で RTX 5090 (32GB) を借りる Community $0.69 / Secure $1.19 約109円 / 約188円
RunPod で A100 PCIe (80GB) を借りる Community $1.19 / Secure $1.79 約188円 / 約283円

料金と価格は時点の値で、確認した日から変わる。電気代はカードだけの値で、PC全体ではない。クラウドの料金には税を含めていない (GPUSOROBAN は税込の表示)。

RunPod の Pod(RunPod で借りる1台ぶんの実行環境)を on-demand(空きがある構成を使った時間ぶんの料金で借り、ほかの利用者の申し込みで止められることがない借り方。保守や障害で止まることはある)で借りる場合の1時間あたりの料金を、2026年11月4日更新の料金ページから表「RunPod の Pod の1時間あたりの料金」に写した。

カード Community Cloud Secure Cloud
RTX 5090 (VRAM 32GB) $0.69 $1.19
RTX 4090 (VRAM 24GB) $0.34 $0.89
A100 PCIe (VRAM 80GB) $1.19 $1.79

Community Cloud は外部の提供者のマシンを使う借り方で、Secure Cloud は冗長性の高いデータセンターの設備を使う借り方だ。どれも2026年11月5日に料金ページで確認した値で、料金は変わる。RTX 5080 は、2026年11月5日に確認した範囲では RunPod の料金ページに見つけられなかった。

課金の刻みと、使い始めに要る残高

RunPod の Pod は、計算と、コンテナディスク・ボリュームディスクが秒単位で課金される。ネットワークボリュームは1時間単位で課金される。ただし Pod を作るには、選んだ構成の1時間分以上のクレジットの残高が要る。入金は10ドルから始められ、入れたクレジットは返金も引き出しもできない。

Vast.ai も、動かしている間を秒単位で課金する。

GPUSOROBAN は0.01時間 (36秒) 単位で課金される。料金には消費税・データ転送料・標準のストレージが含まれる。

止めている間のストレージ代と、止めると消えるもの

RunPod では、コンテナディスクは動かしている間 GBあたり月 $0.10 かかり、Pod を止めると中身が消え、止めている間は課金されない。ボリュームディスクは動かしている間 GBあたり月 $0.10、止めている間 GBあたり月 $0.20 かかる。ネットワークボリュームは、標準の Standard storage なら最初の1TBまで GBあたり月 $0.07 で、High-performance storage は別の料金だ。ネットワークボリュームを使えるのは Secure Cloud の Pod だけで、Pod を作るときにつなぐ必要があり、あとからはつなげない。データの送受信 (ingress/egress) には料金がかからない。残高がなくなると Pod は止まり、ネットワークボリュームの無い Pod は削除されてデータは戻せない。ネットワークボリュームがあっても止めている間の保管料はかかり続け、払えない状態が続くとボリュームも削除され、データを戻せなくなることがある。

Vast.ai では、利用者がインスタンスを止めても、ストレージの課金は削除するまで続く (ホストがオフラインの間は課金されないと、よくある質問にある)。止めている間は GPU の確保が外れ、再開するときにその GPU がほかの利用者に借りられていれば、データが残っていても空くまで待つか、新しいインスタンスを作ることになる。貸し手が決めた最長の契約期間があり、期間が終わったインスタンスは再起動できず、48時間後に削除されることがある。残したいデータは期間が終わる前に移しておく。残高が足りなくなった場合も止められてデータが削除される対象になり、登録したクレジットカードに不足分が自動で請求されることがある。Vast.ai の料金の説明には、ストレージの料金は動かしている間より止めている間のほうが高いのが一般的だとある。これはストレージの料金同士の比べで、GPU の料金を含めた総額の比べではない。ストレージと通信の単価はサービス共通の決まった額がなく、ホストごとに違う。借りる前に、Search の画面で価格にカーソルを合わせると料金の内訳が開き、ストレージと、Internet の欄の通信の単価を確かめられる。通信料は使った量に応じてかかり、表示される1時間あたりの料金には含まれない。

GPUSOROBAN は、止めている間は課金されない。ただし FAQ では、従量契約で45日続けて止めると、データを含むインスタンスが削除されると説明している。

止めている間の扱いがサービスごとに違うため、月に数回だけ使う場合は、1時間の単価に加えて、止めている間のストレージ代とデータが消える条件まで含めて比べることになる。

市場で決まる価格は、時間とともに動く

Vast.ai の価格は貸し手同士の市場で決まり、料金ページにはその時点の値段が表示される。2026年11月5日の表示では、RTX 5080 (VRAM 16GB) が from $0.19、median $0.27、RTX 5090 (VRAM 32GB) が from $0.39、median $0.63 (いずれも1時間あたり) だった。表「計算に使った料金と価格の一覧」の円の値は、これを 158.21円で直したものだ。

from と median が on-demand だけの値か、interruptible(安い代わりに、より高い値段を付けた人や、on-demand で借りたい人が現れると途中で止められることがある借り方。止められると実行中のプロセスは終わるので、長い処理は途中から再開できるよう保存しながら進める)を含むかは、2026年11月5日に見たページには記載がなかった。Vast.ai の料金ガイドでは、from はその時点で借りられる最も安いオファーの料金、median は今出ているオファーの料金の中央値と説明されており、表示は1時間ごとに更新される。表示の値がどの借り方を集めたものか分からないため、on-demand だけで比べた場合に RTX 5080 の2行の時間が長くなるか短くなるかは、この記事では言い切れない。

Vast.ai のドキュメントでは、interruptible は on-demand より 50% 以上安いことが多いとしている。市場の表示を使った計算は、確認した時点の値での結果になる。

ColabでLoRAを学習する場合

Colab には料金のかからない枠もあり、有料で使う場合は GPU を時間ではなく、コンピューティング単位(Colab で GPU などを使うために買う、または毎月付与される利用量の単位)で使う仕組みだ。Colab で LoRA(元のモデルはそのままに、追加の小さな重みだけを学習して絵柄や被写体を覚えさせる方法)の学習を回すか、手元のGPUで回すかを1時間あたりの費用で比べるには、使う GPU が1時間に何単位を使うかが要る。この数を公式の情報で確認できなかったため、この記事では Colab の1時間あたりの値段を出していない。代わりに、学習が1回のセッションに収まるかと、単位をどれだけ使うかで見る。

2026年11月5日に日本向けの料金ページで確認したプランの料金と単位を、表「Colab のプランと単位」にまとめた。

プラン 料金 単位
Pay As You Go 1,179円 100単位
Colab Pro 月1,179円 毎月100単位
Colab Pro+ 月5,767円 毎月合計600単位

Google は2026年9月22日、対象の Google AI の有料プランに Colab の特典を数週間かけて順に含めていくと発表した。Colab のよくある質問では、この特典が使えるのは Colab の有料プランを提供している国だけとされている。Google AI の無料体験中のプランや、ストレージだけのプランには、この Colab の特典は含まれない。対象のプランに含まれる Colab の特典は、単独の Colab のプランと重ねて使える。単位の有効期限は90日で、使う単位の数は VM の構成と、GPU などのアクセラレータの使い方で変わる。2026年11月5日に確認した範囲では、日本向けの料金ページの本文に税込か税抜かの表記は見つけられなかった。

GPU の種類ごとに1時間で何単位を使うかは、2026年11月5日に確認した範囲では、日本向けの料金ページの本文とよくある質問、Colab のよくある質問のページに見つけられなかった。そのため、Colab で1時間あたり何円かかるかは公式の情報からは計算できず、この記事でも出していない。使う単位の数は、実際に使う画面で確かめる必要がある。画面で1時間あたりの単位の数が分かれば、その数に1単位の値段 (表「Colab のプランと単位」の料金を、含まれる単位の数で割った値) を掛けて、買った単位を使い切る場合の1時間あたりの円が出せる。この円は、借りる1時間の料金として同じ式に入れられる。月額のプランで毎月付与される単位を使う場合は、月に払う額と使う量でも比べる。その場合も、料金が税込か税抜かは確かめておく。

使える時間にも上限がある。無料プランのノートブックは、空き状況や使い方に応じて最長12時間まで動く。Colab Pro+ では、コンピューティング単位が十分に残っていれば最長24時間続けて実行できる。アイドル状態のランタイムはタイムアウトし、切れるまでの時間の長さは公表されていないとよくある質問にある。使える GPU の種類も、時間とともに変わる。

Colab で LoRA を学習する例に、画像生成モデル Anima 向けの学習ツール Citron の Colab 向けのノートブックがある。ほかのモデルを学習する場合の数字ではない。その README(ソフトの配布ページに置かれた説明書き)は、無料枠の T4(NVIDIA のデータセンター向けの GPU の一つ)で 1000 ステップの学習に4時間を超えるとし、1回のセッションで終わらせるために総ステップを 1000 未満にするよう案内している。12時間は上限で、空き状況によってはそれより早く切れることがあるため、4時間ほどの学習でも1回のセッションに収まるとは限らない。Google Drive をつなぐかどうかは選べるようになっており、学習素材の zip を Colab の実行環境に直接上げることもできる。ただし実行環境のディスクの中身は、ランタイムが削除されると消える。Drive をつながない場合は、学習した LoRA を、実行環境が残っている間に手元へダウンロードしておく。つないだ場合は、学習素材と学習した LoRA を Drive のフォルダに置く例を示している。ランタイムは T4 GPU 以上を選ぶよう書いている。Colab のよくある質問によると、Drive をつなぐと、ノートブックのコードが Drive のファイルを読み書きできるようになる。これは README の作者が示した例で、この記事では測っていない。無料枠で割り当てられる GPU は変わる。

Citron を無料枠で使い、1回のセッションで終わらせたい場合は、README の案内どおり学習の規模を抑える。手元のGPUで学習する場合のツールの選び方は、Anima 2BでLoRAを学習するツールを目的とVRAMで比べた記事で詳しく解説している。

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料金以外で手元のGPUが向く場合と、クラウドが向く場合

料金で決まる部分は表「組み合わせごとの、買ったほうが安くなるまでの時間」のとおりで、そのうえで、学習素材や生成物をどこに置くか、何度試すか、16GBに載らない作業がどれだけあるかでも決まる。

手元のGPUが向く場合

1日に動かす時間が長いほど、買ったカードが借りる料金に追いつくまでの年数は短くなる。表「組み合わせごとの、買ったほうが安くなるまでの時間」の範囲では、1日8時間動かしても、カードだけを買う行で約1.3〜7.2年、完成品のPCの行で約3.0年かかる。毎日長く動かし続け、そのカードをそれより長く使う見込みがある場合は、手元のGPUが向く。

学習素材や生成物をサービスのストレージへ上げたくない場合も、手元のGPUが向く。クラウドで学習や生成をするときは、学習素材や生成した画像・モデルをサービスのストレージに置くことになる。置き場所は、Colab なら実行環境のディスクや、つないだ Google Drive、RunPod ならディスクやボリュームだ。ここで挙げたのは置き場所で、各サービスの安全性の比較ではない。各サービスの利用規約やデータの扱いの全体はこの記事では確かめていない。Vast.ai は、貸し手が自分のマシン上のファイルに技術的にはアクセスできると説明している。人に見せられない学習素材を扱う場合は、借りる相手と条件を確かめてから使う。

設定を変えて何度も試す使い方で、止めるたびに環境を作り直す手間を避けたい場合も、手元のGPUが向く。RunPod では、コンテナディスクは Pod を止めると消える。ボリュームディスクや、Secure Cloud の Pod を作るときにつないだネットワークボリュームに置けば残せるが、止めている間も保管料がかかる。残高がなくなると Pod は止まり、ネットワークボリュームの無い Pod は削除されてデータは戻せない。ネットワークボリュームも、保管料を払えない状態が続くと削除されることがある。

買うと決めたら、今買えるカードを GPU選定ツールで容量や予算から絞り込める。

クラウドが向く場合

使う時間が短い場合や、まだ続けるか決まっていない場合は、クラウドが向く。RunPod の Pod は計算が秒単位で課金され、入金は10ドルから始められ、カードを買う場合のように購入額を先に払う形ではない (Pod を作るには、選んだ構成の1時間分以上の残高が要る)。

16GBに載らない大きいモデルや学習を時々だけ動かす場合も、クラウドが向く。32GBや80GBのカードを1枚、時間で借りて動かすこともできる。手元で16GBのカードを2枚にする方法は、使うソフトとモデルがカードを分けて載せる仕組みに対応している場合に限られ、32GBのカード1枚の代わりになるとは限らない。RunPod の RTX 5090 (32GB) は Community Cloud で1時間 $0.69、Secure Cloud で $1.19 で、Community Cloud の料金は2026年11月5日の為替で約109円になる。A100 PCIe (80GB) は Community Cloud で $1.19 から、Secure Cloud で $1.79 だ。実際に借りる構成の料金と空きは、借りるときの画面で確かめる。

借りたカードでの速さは、この記事では測っていない。16GBのカードを2枚にした場合の実測は、16GBであふれる27〜35B級をカード2枚で載せて実測した記事で詳しく扱っている。

計算の前提と、計算に入れていない費用

本記事の料金・価格・為替は2026年10月28日〜11月5日に確認した値に基づく。計算に使った値の時点と範囲、計算に入れていないものを項目ごとにまとめた。

  • 確認した日: 購入価格は2026年11月4日、完成品の価格は2026年10月28日の値で、ほかの料金は2026年11月5日に確認した。どれも実測ではなく、公開されている料金・価格・公称値だ。Vast.ai のような市場で決まる価格は時間とともに変わり、RunPod も料金ページを更新している。この記事の計算は2026年10月28日〜11月5日の値での結果で、10月28日の値は完成品の価格だけだ。
  • 税: クラウドの料金には税を含めていない。GPUSOROBAN は税込の表示で、消費税・データ転送料・標準のストレージが料金に含まれる。
  • 為替: ドルの料金は、三菱UFJ銀行が公表した2026年11月5日の米ドルの TTS 159.21円と TTB 157.21円の中間の 158.21円で円に直した。クレジットカードで払う場合は、カード会社の換算レートと手数料がかかり、この値とは違う。
  • 電気代: NVIDIA の公称の消費電力 (RTX 5060 Ti 16GB が 180W、RTX 5080 が 360W) に、目安単価 31円/kWh (税込) を掛けて出した。カードだけの公称値で、CPU・メモリ・電源の変換損失を含むPC全体の電力ではない。31円/kWh は目安単価で、各家庭の契約の単価ではない。
  • 購入価格: カードは、楽天市場に出店している店のうち、当サイトが価格を調べているPC専門店・家電量販店・大手通販で、在庫ありの新品でいちばん安かった値段の目安で、市場全体でいちばん安い値段とは限らない。機種と店によって値段は違い、PC本体は含まない。完成品のPCは、BTO メーカー9社で構成が決まった状態で注文できた機種の表示価格の中央値で、メモリ・SSD・電源の構成は機種ごとに違う。
  • 計算に入れていないもの: PC本体の電力、手元のカードを売ったときに戻る額、クラウドの料金にかかる税、クラウドのストレージ代と通信料、データの準備やアップロードにかかる時間は入れていない。どれも金額や時間が人によって違うためだ。カードを売った額やクラウドのストレージ代を入れると買う場合が有利になる。PC全体の電力を入れると、CPU・メモリなどのぶんだけ借りる場合が有利になる。一方、カードの消費電力が公称値より低い作業では、買う場合が有利になる側に働く。GPUSOROBAN は標準のストレージとデータ転送料を料金に含む。
  • 速さ: クラウドのカードと手元のカードの速さは測っていない。同じ作業にかかる時間が違えば、払う金額も変わる。同じ型番のカードでも、借りた環境のCPU・ディスク・通信によってかかる時間は変わりうる。

まとめ

同じ容量のカード同士を、確認した時点の料金と価格で比べた範囲では、使う時間が短いうちは借りるほうが安く、毎日数時間ほどの使い方では買ったカードが追いつくまで何年もかかる。追いつくまでの年数を、そのカードを使い続けるつもりの年数と比べて決める。この計算の電気代はカードの公称の消費電力から出したもので、速さの違い、PC全体の電力、カードを売った額、クラウドのストレージ代は入れていない。学習素材や生成物をサービスのストレージに置きたくない場合や、毎日長く動かしてそのカードを何年も使い続ける場合は手元のGPUが向く。手元のカードに載らない作業だけを大きいカードで時間借りする組み合わせもできる。Colab は GPU ごとに1時間で使う単位の数を公式の情報で確認できなかったため、1時間あたりの値段では比べていない。

よくある質問

Colab の無料枠で Anima の LoRA を学習できるか

Citron の Colab 向けのノートブックの README は、無料枠の T4 で学習する場合、総ステップを 1000 未満にして1回のセッションで終わらせるよう案内している。README の作者は、1000 ステップの学習に4時間を超えるとしている。これは README の作者が示した例で、この記事では測っていない。無料枠で割り当てられる GPU は変わる。

電気代は1か月でどのくらいかかるか

1か月の電気代は、カードが1時間動いたときの電気代に、1日に動かす時間と1か月に動かす日数を掛けると出る。カードが1時間動いたときの電気代は、公称の消費電力と目安単価 31円/kWh から、RTX 5060 Ti 16GB で約5.6円、RTX 5080 で約11.2円と計算した。これはカードが公称の消費電力のまま動いた場合の値で、PC全体の電力は含まない。実際の消費電力は作業によって変わり、各家庭の契約の単価によっても変わる。

RTX 5090 のような32GBのカードは、買うのと借りるのとどちらが安いか

RTX 5090 については、買ったほうが安くなるまでの時間をこの記事では出していない。時間で借りる料金は確かめたが、手元で買う価格の目安を集められていないためだ。借りる場合の料金は「クラウドGPUの料金は、1時間の単価だけでは決まらない」にまとめた。

参考資料

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