Ryzen AI Max+ PRO 495の192GBで何が載るか|395の128GBで足りるか

Ryzen AI Max+ PRO 495の192GB載るモデルを395の128GBと比べる(比較図) PC構成

この記事の要点

Ryzen AI Max+ PRO 495 は 395 と同じコア数・CU 数で 192GB を積め、AMD によると GPU 専用の割り当ても 395 の Windows の最大 (Linux は設定次第) を上回る。

gpt-oss-120b の Q4_K_M などは 395 の Windows の割り当ても下回る。DeepSeek-V4-Flash-0731 の UD-Q4_K_XL などは 128GB 機の総量を超え、495 の割り当てを下回る。Qwen3.5-397B-A17B も UD-IQ3_XXS なら下回り、MiniMax-M3 は同じ量子化でも単位の読み方次第で超える。GLM-5.3 は unsloth の最小の量子化でも 192GB を超える。

帯域と演算性能はほぼ同じで、KV キャッシュ込みで 395 の Windows の割り当てに収まる使い方なら生成速度が大きく変わる材料は公表値に無い (測っていない)。192GB 機の国内の注文先は見た範囲で ACEMAGIC と GMKtec。GMKtec の価格は同社の 128GB 機の約1.9倍。

495の192GBで何が変わるか

Ryzen AI Max+ PRO 495 は、CPU の 16 コアと GPU の 40 CU が Ryzen AI Max+ 395 と同じまま、メモリの最大容量が 128GB から 192GB になり、メモリの規格も LPDDR5x-8000 から LPDDR5x-8533 に上がった。

ユニファイドメモリの機種では、積んだメモリの一部を GPU 専用に割り当てられる。395 では、AMD の説明で Windows の VGM (メインメモリの一部を GPU 専用に割り当てる設定) の最大が 96GB で、96GB に設定した GPU は合計 112GB まで触れられる。495 については、AMD が 2026年10月12日のブログで最大 160GB を GPU に割り当てられると書いている。その 160GB をどの OS のどの設定で割り当てるかは、2026年10月17日時点で 495 の製品ページとこのブログを読んだ範囲では見つけられなかった。ブログの脚注にある AMD 自身のテスト (ComfyUI での比較) は、メモリ 192GB で VGM を 128GB に設定した条件だった。

この記事では、395 の 96GB (Windows の VGM)、395 のメモリの総量 128GB、495 の 160GB (AMD の値) の3つを、モデルのファイルの大きさと比べる基準として「線」と呼ぶ。比べるファイルは GGUF (llama.cpp や Ollama で使うモデルのファイル形式) で、どれも量子化 (重みを少ないビット数で持ち、ファイルを小さくする方法) をかけたものだ。「下回る」はファイルの大きさが線より小さいという意味だけで、実際に使うにはこれとは別に KV キャッシュ (会話の途中の計算結果をためておく領域。文脈を長くするほど大きくなる) などが要る。

gpt-oss-120b の Q4_K_M や Qwen3.5-122B-A10B の UD-Q4_K_XL は 395 の 96GB の線も下回り、線に対する結果は 395 と 495 で変わらない。DeepSeek-V4-Flash-0731 の UD-Q4_K_XL や GLM-5.3-Flash の UD-IQ4_XS は 128GB の総量そのものを超え、495 の 160GB の線を下回る。分かれ目は使いたいファイルの大きさで、ファイルごとの細部は「モデルのファイルは96GB・128GB・160GBの線のどこに入るか」で扱う。

Ryzen AI Max+ PRO 495と395の仕様の違い

「495と395の仕様の表」は、AMD の製品ページの公称値を2つのプロセッサーで並べたもの。

項目 Ryzen AI Max+ PRO 495 Ryzen AI Max+ 395
CPU のコアとスレッド Zen 5・16 コア 32 スレッド Zen 5・16 コア 32 スレッド
最大クロック 5.2GHz 5.1GHz
L3 キャッシュ 64MB 64MB
GPU の名前と CU 数とクロック Radeon 8065S・40 CU・3000MHz Radeon 8060S・40 CU・2900MHz
GPU の FP16 の AI 演算 最大 61 TFLOPS 最大 60 TFLOPS
NPU 最大 55 TOPS (全体で最大 132 TOPS) 最大 50 TOPS (全体で最大 126 TOPS)
メモリの種類と転送速度と最大容量 256-bit LPDDR5x・LPDDR5x-8533・最大 192GB 256-bit LPDDR5x・LPDDR5x-8000・最大 128GB
既定の TDP と cTDP 55W・45〜120W 55W・45〜120W
旧コードネーム Gorgon Halo Strix Halo

違うのはメモリの転送速度と最大容量で、ほかにクロックと NPU・FP16 の値が少しずつ上がっている。コア数・CU 数・TDP は同じだ。どれも公称値で、完成機ごとの TDP の設定やメモリの搭載量・転送速度は機種によって違う (日本 HP の ZBook Ultra G3a 16 の 495・128GB の構成は LPDDR5x-8000)。

495 は名前に PRO が付く系列で、Ryzen AI Max PRO 400 シリーズに属する。AMD の製品ページの OS の欄には Windows 11 (64ビット)・RHEL・Ubuntu が並び、395 の製品ページも同じ3つだ。

同じ PRO 400 シリーズの PRO 490 (12 コア 24 スレッド) と PRO 485 (8 コア 16 スレッド) も、AMD の製品ページではメモリが LPDDR5x-8533・最大 192GB だが、GPU は Radeon 8050S の 32 CU (2800MHz) で、495 の 40 CU より少ない。192GB を積む機種では、CPU が 495 かどうかをそれぞれ確かめる必要がある。

GPU専用に割り当てるメモリは395がWindowsで96GB、495はAMDの説明で最大160GB

この記事で「GPU 専用に割り当てる量」と呼ぶのは、AMD の資料で「専用グラフィックスメモリ」や「VRAM として割り当て」と書かれている量だ。これは GPU が触れられるメモリの全部ではなく、395 では専用の 96GB を超えて合計 112GB まで触れられる (下の「395 は Windows で 96GB、Linux では設定で変わる」)。実際に GPU が使える量は、OS・ドライバ・動かすソフトの割り当て方でも変わる。

495 の 160GB は AMD の説明

AMD は 2026年10月12日のブログで、495 を積む新しい Ryzen AI Halo について、最大 160GB を GPU に VRAM として割り当てられると書いている。脚注には、2026年5月11日時点で 495 は最大 160GB の専用グラフィックスメモリに対応するとある。

同じ脚注は、4ビット量子化で 3000 億パラメータ以上のモデルを動かせるとも書いている。

「モデルのファイルは96GB・128GB・160GBの線のどこに入るか」のファイルの大きさと3本の線の表では、3000 億級の DeepSeek-V4-Flash-0731 の UD-Q4_K_XL と GLM-5.3-Flash の UD-IQ4_XS は 160GB の線を下回り、Qwen3.5-397B-A17B と MiniMax-M3 の UD-IQ4_XS は超える。この表から分かるのはファイルの大きさと線の位置の関係で、脚注の説明が個々のモデルに当てはまるかは、KV キャッシュなどの実行時のメモリと、動かすソフトの対応も含めて確かめる必要がある。

同じブログの脚注にある AMD 自身のテスト (2026年9月に ComfyUI 0.37 で Intel・Apple のチップを積んだ機種と比べたもの) の条件は「メモリ 192GB、VGM を 128GB に設定」だった。160GB をどの OS のどの設定で割り当てるかは、2026年10月17日時点で 495 の製品ページとこのブログを読んだ範囲では見つけられなかった。

AMD の Ryzen AI Halo のユーザーガイドによると、Ryzen AI Halo は Windows と Linux のどちらでも VGM を最適な割り当てに設定して出荷される。Windows では VGM を AMD Software: Adrenalin Edition で変え、メモリ 192GB で Windows 11 の Ryzen AI Halo で VGM を 128GB より上げる場合は、AMD の Ryzen AI Halo のページにある追加の設定手順を見るよう案内している。

Linux では、AMD Ryzen AI Developer Center の設定で、GPU も使えるメインメモリの割合 (Shared Video Memory) を10〜90% (既定 75%) の範囲で変える。

2026年10月17日時点でこのガイドを読んだ範囲では、160GB という値は見つけられなかった。

395 は Windows で 96GB、Linux では設定で変わる

395 について AMD は、VGM で 128GB 機のうち最大 96GB を専用グラフィックスメモリにでき、96GB に設定した GPU は合計 112GB までのグラフィックスメモリに触れられるが、最も高い性能が出るのは 96GB に収めたときだと説明している。これは Windows での説明だ。

395 で GPU が使えるメインメモリの量は、Linux では 96GB に固定されていない。AMD の ROCm のドキュメントは、GPU が使えるメインメモリの上限 (GTT) は既定でメインメモリの約 50% で、カーネルの TTM の上限を変えると増やせると説明し、amd-ttm というツールで上限を 100GB に設定する例を載せている。BIOS で GPU 専用に取っておく量は小さく (例として 0.5GB) して、この上限を上げるほうを勧めている。一方、Ryzen AI Halo のユーザーガイドが書く Linux の既定 75% は、Ryzen AI Halo で AMD Ryzen AI Developer Center が設定する Shared Video Memory の値で、ROCm のドキュメントの約 50% (一般的な GTT の既定) とは対象と設定の場所が違う。Ryzen AI Halo 以外の 395 の機種では、それぞれの BIOS・ドライバと今の設定を確かめる必要がある。ROCm で使う場合は、ROCm のドキュメントが Ryzen AI Max 向けに挙げる Linux カーネルの版も確かめる必要がある (足りないと GPU の計算が始まらないか、不安定になりうるとしている)。395 で Linux の上限をいくつまで上げられるか、そのとき生成の速さがどうなるかは試していない。

この記事の単位の扱い

この記事で参照した AMD の資料を2026年10月17日時点で読んだ範囲では、160GB・96GB が10進の GB か2進の GiB かの定義は見つけられなかった。この記事では、AMD の 192GB・160GB・96GB と 395 のメモリの総量 128GB をメモリ容量の表記として2進の GiB (1GiB は 1,073,741,824 バイト) とみなし、配布元が10進の GB (10億バイト) で示す GGUF のファイルの大きさを GiB に直して比べた。

AMD の 160GB・96GB がもし10進の GB なら、線は約149.0GiB (160GB) と約89.4GiB (96GB) になる。その場合、DeepSeek-V4-Flash-0731 の UD-Q2_K_XL (90.2GiB) は 96GB の線を超え、MiniMax-M3 の UD-IQ3_XXS (149.3GiB) は 160GB の線を超える。ほかのファイルは結論が変わらない。128GB と 192GB は積んでいるメモリの容量で、半導体メモリの容量の G は 2 の 30 乗 (1,073,741,824) を表すため (JEDEC の定義)、10進への読み替えはしていない。

モデルのファイルは96GB・128GB・160GBの線のどこに入るか

GGUF のファイル名にある Q8_0・Q4_K_M・IQ4_XS・IQ3_XXS・Q2_K・IQ1_S などは量子化の種類の名前で、名前の数字は1パラメータあたりのビット数そのものではない。「量子化の名前とビット数の表」は、llama.cpp の量子化の説明が Llama-3.1-8B を例に示した、1パラメータあたりの平均のビット数を並べたもの。

量子化の名前 1パラメータあたりの平均 (Llama-3.1-8B の例)
IQ1_S 約2.0ビット
Q2_K 約3.2ビット
IQ3_XXS 約3.3ビット
IQ4_XS 約4.5ビット
Q4_K_M 約4.9ビット
Q8_0 約8.5ビット

モデルが違えば平均は変わる。unsloth の「UD-」が付くファイル (Unsloth Dynamic) は、層ごとに量子化の種類を変えていて、その組み合わせは層とモデルごとに違う。この記事で「4ビット前後」と書くのは、名前の数字が 4 のファイルのおおよその段階という意味だ。

ファイルの大きさと3本の線の表の「下回る」は、ファイルの大きさが線より小さいという意味だけで、実際に使うには文脈の長さに応じた KV キャッシュや実行時の作業領域が別に要る。

ファイルの大きさと3本の線の比較

「ファイルの大きさと3本の線の表」は、unsloth の GGUF のファイルの大きさ (配布元の GB と、GiB に直した値) を、3本の線と比べたもの。大きさは量子化ごとの合計で、いくつかのファイルに分けて配られているものは全部を足した値だ。同じリポジトリに別に置かれた追加のファイルがあっても含めていない。行はファイルの小さい順に並べた。

モデルとファイル 大きさ (GB と GiB) 395 の 96GB の線 (Windows の VGM) 395 のメモリの総量 128GB 495 の 160GB の線 (AMD の値)
gpt-oss-120b の Q4_K_M 62.8GB (58.5GiB) 下回る (差 37.5GiB) 下回る (差 69.5GiB) 下回る (差 101.5GiB)
Qwen3.5-122B-A10B の UD-Q4_K_XL 77.0GB (71.7GiB) 下回る (差 24.3GiB) 下回る (差 56.3GiB) 下回る (差 88.3GiB)
MiniMax-M2.7 の UD-IQ3_XXS 80.1GB (74.6GiB) 下回る (差 21.4GiB) 下回る (差 53.4GiB) 下回る (差 85.4GiB)
Qwen3.8-Flash-Next の UD-IQ4_XS 93.7GB (87.2GiB) 下回る (差 8.8GiB) 下回る (差 40.8GiB) 下回る (差 72.8GiB)
DeepSeek-V4-Flash-0731 の UD-Q2_K_XL 96.8GB (90.2GiB) 下回る (差 5.8GiB。AMD の 96GB が10進の GB なら超える) 下回る (差 37.8GiB) 下回る (差 69.8GiB)
MiniMax-M2.7 の UD-IQ4_XS 108.4GB (101.0GiB) 超える (5.0GiB 超) 下回る (差 27.0GiB) 下回る (差 59.0GiB)
Qwen3.8-Flash-Next の UD-Q4_K_XL 111.3GB (103.7GiB) 超える (7.7GiB 超) 下回る (差 24.3GiB) 下回る (差 56.3GiB)
Qwen3.5-122B-A10B の Q8_0 129.9GB (121.0GiB) 超える (25.0GiB 超) 下回る (差 7.0GiB) 下回る (差 39.0GiB)
DeepSeek-V4-Flash-0731 の UD-IQ4_XS 136.7GB (127.3GiB) 超える (31.3GiB 超) 下回る (差 0.7GiB) 下回る (差 32.7GiB)
Qwen3.5-397B-A17B の UD-IQ3_XXS 140.3GB (130.7GiB) 超える (34.7GiB 超) 超える (2.7GiB 超) 下回る (差 29.3GiB)
DeepSeek-V4-Flash-0731 の UD-Q4_K_XL 155.1GB (144.4GiB) 超える (48.4GiB 超) 超える (16.4GiB 超) 下回る (差 15.6GiB)
GLM-5.3-Flash の UD-IQ4_XS 156.8GB (146.1GiB) 超える (50.1GiB 超) 超える (18.1GiB 超) 下回る (差 13.9GiB)
MiniMax-M3 の UD-IQ3_XXS 160.3GB (149.3GiB) 超える (53.3GiB 超) 超える (21.3GiB 超) 下回る (差 10.7GiB。AMD の 160GB が10進の GB なら超える)
Qwen3.5-397B-A17B の UD-IQ4_XS 189.7GB (176.7GiB) 超える (80.7GiB 超) 超える (48.7GiB 超) 超える (16.7GiB 超)
MiniMax-M3 の UD-IQ4_XS 208.5GB (194.1GiB) 超える (98.1GiB 超) 超える (66.1GiB 超) 超える (34.1GiB 超)
GLM-5.3 の UD-IQ1_S 216.7GB (201.8GiB) 超える (105.8GiB 超) 超える (73.8GiB 超) 超える (41.8GiB 超)
モデルのファイルの大きさと3本の線 (GiB)4ビット前後の量子化の GGUF ファイルの大きさを GiB に直したものと、Ryzen AI Max+ 395 の Windows の VGM の 96GB・395 のメモリの総量 128GB・Ryzen AI Max+ PRO 495 の GPU 専用に割り当てる量として AMD が書く 160GB を並べた図gpt-oss-120b・Q4_K_M58.5Qwen3.5-122B-A10B・UD-Q4_K_XL71.7Qwen3.8-Flash-Next・UD-IQ4_XS87.2線: 395 の Windows の VGM の 96GB96MiniMax-M2.7・UD-IQ4_XS101.0Qwen3.8-Flash-Next・UD-Q4_K_XL103.7DeepSeek-V4-Flash-0731・UD-IQ4_XS127.3線: 395 のメモリの総量 128GB128DeepSeek-V4-Flash-0731・UD-Q4_K_XL144.4GLM-5.3-Flash・UD-IQ4_XS146.1線: 495 の専用の割り当て 160GB (AMD の値)160Qwen3.5-397B-A17B・UD-IQ4_XS176.7単位: GiB
図: GGUF ファイルの大きさ (配布元の10進の GB を GiB に直した値) と3本の線。オレンジの棒は GPU 専用に割り当てる量の線 (395 は Windows の VGM、495 は AMD の値。どちらも GPU が触れられる量の全部ではない)、灰色の棒は 395 の 128GB 機のメモリの総量。線はメモリ容量の表記を2進の GiB として描いた。ファイルの大きさは動かすときに要るメモリの全部ではなく、KV キャッシュなどが別に要る。ファイルの大きさは2026年10月17日に Hugging Face の unsloth のリポジトリで確認

gpt-oss-120b の Q4_K_M や Qwen3.8-Flash-Next の UD-IQ4_XS を含む、96GB の線も下回る5つのファイルは、線に対する結果が 395 と 495 で同じになる。ただし DeepSeek-V4-Flash-0731 の UD-Q2_K_XL は、AMD の 96GB が10進の GB なら線を超える。

MiniMax-M2.7 の UD-IQ4_XS や Qwen3.5-122B-A10B の Q8_0 を含む、96GB の線を超えて 128GB の総量の内側にある4つのファイルは、395 では OS と設定次第になる。このうち小さい2つ (MiniMax-M2.7 の UD-IQ4_XS と Qwen3.8-Flash-Next の UD-Q4_K_XL) は、AMD が Windows で 96GB に設定した GPU が触れられるとする合計 112GB の内側の大きさだ。DeepSeek-V4-Flash-0731 の UD-IQ4_XS は総量との差が 0.7GiB で、OS などが使う分が残らない。

DeepSeek-V4-Flash-0731 の UD-Q4_K_XL や GLM-5.3-Flash の UD-IQ4_XS を含む、128GB の総量を超えて 160GB の線を下回る4つのファイルは、OS や設定にかかわらず、ファイル全体を 395 の 128GB 機のメモリに置けない。495 なら、これらは 160GB の線 (AMD の値) を下回る。ただし MiniMax-M3 の UD-IQ3_XXS は、AMD の 160GB が10進の GB なら線を超える。

Qwen3.5-397B-A17B の UD-IQ4_XS、MiniMax-M3 の UD-IQ4_XS、GLM-5.3 の UD-IQ1_S の3つは 160GB の線も超え、MiniMax-M3 の UD-IQ4_XS と GLM-5.3 の UD-IQ1_S は 192GB の全部も超える。GLM-5.3 の UD-IQ1_S は、unsloth が配っている GLM-5.3 の GGUF の量子化の中で、合計の大きさが最も小さいものだ。

96GB・128GB・160GB の線をわずかに下回るファイルほど、長い文脈では KV キャッシュの分で足りなくなる場合がある。KV キャッシュの大きさはモデルと文脈の長さで変わり、この記事では計算も測定もしていないため、差がいくつ以下なら足りないという線は引けない。

MiniMax-M3 と GLM-5.3-Flash の GGUF の配布ページは、2026年10月17日時点で、llama.cpp を特定の PR からビルドして使うよう書いている (MiniMax-M3 は PR #24523、GLM-5.3-Flash は PR #27754。GLM-5.3-Flash は Unsloth Desktop も挙げる)。MiniMax-M3 の配布ページは、この GGUF を実験的なものとし、PR #24523 のビルドは MiniMax Sparse Attention に対応せず、通常の Attention に切り替えて処理するとしている。

ただし同じ日に GitHub で見ると、この2つの PR はどちらもマージされずに閉じていて、llama.cpp には別の PR で対応が入っている。MiniMax-M3 は MiniMax Sparse Attention に対応したとする #24908 が2026年7月26日に、GLM-5.3-Flash は #27773 が2026年9月30日にマージされた。unsloth も GGUF のファイルを GLM-5.3-Flash は10月5日、MiniMax-M3 は10月12日に更新していて、MiniMax-M3 の更新の説明は最新の llama.cpp で動くようにするためとしている。最新の llama.cpp でこの2つの GGUF が動くかは試していない。

比べたモデルとライセンス

「モデルとライセンスの表」は、ファイルの大きさと3本の線の表で比べた9つのモデルについて、モデルカードなどにあるパラメータの数とライセンスを並べたもの。

モデル 全体と1トークンで使うパラメータの数 ライセンス
gpt-oss-120b 全体 117B・5.1B Apache 2.0
Qwen3.5-122B-A10B 全体 122B・10B Apache 2.0
Qwen3.8-Flash-Next 本体 125B・6B (ほかに n-gram 埋め込み 51B と MTP 4B) qwen-community-1.0
MiniMax-M2.7 約 229B (Hugging Face の表示)・— 非商用の利用を認め、商用の利用には MiniMax の事前の書面の許可が要る
DeepSeek-V4-Flash-0731 全体 284B・13B (プレビュー版のモデルカードの値) MIT
GLM-5.3-Flash 全体 320B・18B MIT
Qwen3.5-397B-A17B 全体 397B・17B Apache 2.0
MiniMax-M3 約 428B・約 23B MiniMax Community License。非商用の利用を認める。商用では「Built with MiniMax M3」の表示を求め、年間の売上が 2,000 万米ドルを超える製品・サービスは事前の書面の許可、それ以外は MiniMax への1回の通知
GLM-5.3 約 753B (Hugging Face の表示)・— glm-5.3 (独自のライセンス)

「—」は、2026年10月17日時点でモデルカードを読んだ範囲では見つけられなかった項目。qwen-community-1.0 と glm-5.3 はライセンスの名前だけを載せていて、条件はここに書いていない。ライセンスの欄は条文の要約で、個々の用途が許されるかの判断ではない。

DeepSeek-V4-Flash-0731 は DeepSeek-V4-Flash の正式リリースで、全体 284B・1トークンで使う 13B という値は、プレビュー版 DeepSeek-V4-Flash のモデルカードのものだ。0731 のモデルカードのパラメータの数は、2026年10月17日時点で読んだ範囲では見つけられなかった。Hugging Face の表示は約 304B。

ここで比べていないほかの大きなモデルの必要メモリは、6月時点の早見表「巨大オープンモデルは手元で動くのか比較|GLM-5.2・Kimi K2.6・Qwen3.5 122Bの必要メモリ早見表」に詳しく載っている。

メモリの帯域と演算性能はほぼ同じ

メモリの帯域 (1秒あたりにメモリから読み書きできる量) の理論上の最大は、次の式で計算できる。

帯域 (GB/s) = メモリの転送速度 (MT/s) × バスの幅 (bit) ÷ 8 ÷ 1,000
495: 8,533MT/s × 256bit ÷ 8 ÷ 1,000 ≒ 273GB/s
395: 8,000MT/s × 256bit ÷ 8 ÷ 1,000 = 256GB/s

495 の約273GB/s は計算値で、AMD の Ryzen AI Halo のユーザーガイドの仕様表にある、495・192GB の Ryzen AI Halo の帯域 273GB/s と一致する。395 の 256GB/s は AMD が書いている値で、計算とも一致する (同じ仕様表の 395・128GB の Ryzen AI Halo も 256GB/s)。差は約7%で、どれも理論上の最大であって、実際に出る帯域ではない。

AMD の ROCm のブログは、LLM の推論のうち、入力をまとめて処理する段階 (入力の処理、prefill) は演算の性能で、答えを1トークンずつ書き出す段階 (生成、decode) はメモリの帯域で頭打ちになると説明している。これは AMD のデータセンター向け GPU についての説明で、495・395 で確かめたものではない。

AMD の VGM の FAQ (2025年) にある「帯域が 256GB/s に倍になり、1秒あたりのトークン数もおよそ倍」という説明は、64GB の Ryzen AI Max+ (開発名 Strix Halo) を勧める段落にあり、何に対して倍なのかは書かれていない。直前の段落で勧めている Ryzen AI 9 300 シリーズの構成との比較と読めるが、395 と 495 の比較ではない。同じ処理が同じ効率で、帯域だけで頭打ちになると仮定すれば、395 と 495 の生成の速さの差は帯域の差 (約7%) 程度という見積もりになる。これは仮定を置いた計算で、実機の速さの差やその上限を示すものではない。

演算の性能も、GPU の FP16 の AI 演算が 61 TFLOPS と 60 TFLOPS でほぼ同じだ。ここから、ファイルの大きさに KV キャッシュなどを足しても 395 の 96GB (Windows の VGM) に収まる範囲では、同じモデルを同じファイルで動かしたときに生成の速さが大きく変わる材料は公表値に無い。AMD は 395 について、最も高い性能が出るのは 96GB 以内に収めたときだと説明していて、それを超える使い方では、この説明に沿えば 395 側の生成の速さが落ちる可能性がある。

MoE (全体のパラメータのうち、1トークンごとに一部だけを使って計算する作り) のモデルは、生成のたびにメモリから読み出す重みが全体より少ない。1トークンごとに読み出す重みの量は、1トークンで使うパラメータの数と量子化の1パラメータあたりのビット数の積がおおよその目安になる。実際に読む量と速さは、モデルの作り (Qwen3.8-Flash-Next の n-gram 埋め込みなど) や動かすソフトでも変わる。

1トークンで使うパラメータの数は、表の4ビット前後のファイルが 96GB の線を下回るモデル (gpt-oss-120b 5.1B・Qwen3.8-Flash-Next 6B・Qwen3.5-122B-A10B 10B) より、表の4ビット前後のファイルが 128GB の総量を超えるモデル (DeepSeek-V4-Flash-0731 13B (プレビュー版のモデルカードの値)・Qwen3.5-397B-A17B 17B・GLM-5.3-Flash 18B・MiniMax-M3 約 23B) のほうが多い (MiniMax-M2.7 は4ビット前後のファイルが 96GB の線と 128GB の総量のあいだにあり、GLM-5.3 は表に4ビット前後のファイルが無いので、どちらの群にも入らない)。後者のモデルを選ぶと、1トークンごとに読む量が増える。生成がメモリの帯域で頭打ちになるなら、生成が遅くなる方向に働くと考えられる。ただしビット数が違うと読み出す量は逆転しうる (Qwen3.5-122B-A10B の Q8_0 は 10B を8ビット前後で読む)。

ここまでの帯域・演算性能・読み出し量の話は公表値とモデルカードの値からの読み取りで、495・395 のどちらでも生成の速さは測っていない。

495を積む機種と国内の価格

「機種と価格の表」は、495 を積む機種について、国内の状況と国内の表示価格を並べたもの。

機種 国内の状況 国内の表示価格
ACEMAGIC F9A (495・192GB・SSD 2TB) 日本公式ストアで予約注文 (在庫の欄は「予約注文:10月末」、日本国内の倉庫から発送) 114万9,800円 (ページに「表示価格はすべて税込み」、通常価格 124万9,980円)
GMKtec EVO-X5 Pro (495・192GB) 日本公式ストアでカートに入れられる状態 (商品ページは2026年9月に掲載) SSD なし 102万9,990円 / SSD 2TB 108万7,840円 / SSD 4TB 113万5,840円
HP ZBook Ultra G3a 16 (ノート) 日本 HP のページに「最大 192GB ユニファイドメモリ」。並んでいる 495 の構成は 64GB (LPDDR5x-8533) と 128GB (LPDDR5x-8000) で、192GB は12月に販売開始予定 192GB の構成は表示なし。495 の 64GB は 110万5,170円から、128GB は 181万4,670円から (HP希望販売価格、税込。台数限定 50 台の記念モデルは 128GB で 136万1,800円)
MINISFORUM MS-S1 MAX-P495 (192GB・SSD 2TB) 日本公式ストアで「P495」の検索結果は0件。米国の公式ストアでは売り切れの表示 国内の表示なし
AMD Ryzen AI Halo (495) AMD のブログでは、米国の販売店 Micro Center で注文できるとし、Windows を載せた Ryzen AI Halo は近く出すとしている 国内の表示なし
CHUWI UniBox AI495 Pro グローバル版と日本向けの公式ストアにページがあり、最大 192GB・最大 160GB を VRAM に割り当て可能と説明。どちらも購入のボタンの代わりに、発売の知らせを受け取る登録の欄がある (日本向けのページは2026年10月18日に確認) 国内の表示なし (日本向けのページにも価格の表示なし)
Framework Desktop (192GB) 予約受付中 (2026年9月30日から)・11月出荷予定。495 の構成は Linux 向けで、DIY 版にも完成品にも Windows の選択肢は無い。日本向けの出荷は未確認 国内の表示なし

価格と在庫は、2026年10月17日に各社のページで見た表示 (CHUWI の日本向けのページだけは10月18日) で、変わることがある。ACEMAGIC の F9A のページには「最大128GB」という記述も残っていて、192GB と食い違う。HP の ZBook Ultra G3a 16 のページには「192GBメモリは2026年12月販売開始予定」という注記があり、192GB の構成と価格は並んでいなかった。CHUWI のページの価格と発売日、AMD のブログの国内での発売の告知は、それぞれを読んだ範囲 (CHUWI の日本向けのページは10月18日、ほかは10月17日) では見つけられなかった。GMKtec のページには、税込みかどうかの表記が無かった (EVO-X2 のページも同じ)。

機種と価格の表に載せた機種のうち、192GB の構成を国内で注文できるのは ACEMAGIC と GMKtec の2つだ。

比べる材料として、395・128GB の機種の国内の表示価格は、GMKtec の日本公式ストアの EVO-X2 (メモリ 128GB) が SSD 1TB で 56万6,999円、SSD 2TB で 58万3,000円、MINISFORUM の日本公式ストアの MS-S1 MAX (128GB・SSD 2TB) がセール価格 67万1,999円 (税込、通常価格 83万9,999円) だった。

同じ GMKtec の日本公式ストアで SSD 2TB の構成どうしを比べると、495・192GB の EVO-X5 Pro (108万7,840円) と 395・128GB の EVO-X2 (58万3,000円) の差は 50万4,840円になる。この差額には、メモリの容量 (192GB と 128GB) のほか、CPU (495 と 395) や機種の作りの違いも含まれ、内訳は分けられない。セールなどで差額も変わる。

VRAM 16GBのGPUとメインメモリで125BのMoEをQ2_0で動かした実測

ユニファイドメモリの機種を買う以外に、GPU 1枚とメインメモリ (設定によっては SSD も) で大きなモデルを動かす道もある。手元の検証環境 (Intel Core i7-14700F・メインメモリ 96GB・Windows 11) では、125B の Qwen3.8-Flash-Next を、Strata (GPU とメインメモリ、設定によっては SSD も使って大きな MoE を動かすエンジン) の v0.1.31 (2026年10月1日の版) で動かした。

Q2_0 の生成は、RTX 5060 Ti 16GB (OCuLink の外付け) で 57〜68 tok/s (1秒あたりに出すトークンの数。トークンは文字のかたまり)、RTX 5080 (VRAM 16GB) で 74〜112 tok/s だった。どちらも入力 1K・4K・32K トークンの3つの長さを2回ずつ測った値の幅で、各値は3回の中央値 (生成は 256 トークン)。RTX 5080 は1回目が 74〜86 tok/s、2回目が 96〜112 tok/s で、回によって大きく違った。同じ Q2_0 を素の llama.cpp b11218 で動かすと、RTX 5080 で 16〜21 tok/s だった (配置を自動で決める --fit で 18〜21 tok/s、専門家の重みを CPU 側に置く指定で 16〜18 tok/s)。Strata 側は MTP (Multi-Token Prediction。モデルに付いた追加の層で次の数トークンを先に予測し、本体でまとめて確かめて生成を速める仕組み) を使い、llama.cpp 側は使っていない。重みの置き方の設定も違うので、この差が MTP だけによるものとは言えない。条件は Strata と llama.cpp で揃えていて、コード系の入力 (前の入力の計算結果を使い回せないよう、毎回先頭を変える)、思考なし (reasoning none)、greedy、文脈の上限 65,536 トークン、KV キャッシュは 8 ビット (Strata は int8、llama.cpp は q8_0)。計測中の GPU のメモリと負荷を nvidia-smi で記録し、対象の GPU に載っていて、もう1枚には画面表示の分を超えて載っていないこと、終わったあとにプロセスが残っていないことを確かめた。計測は2026年10月1日〜2日。

2026年10月17日時点の Strata の README は、対応する GPU として NVIDIA の GeForce RTX 20〜50 系と、AMD の Radeon の一部 (RX 7900 XT / XTX、RX 9070 / 9070 XT、Radeon AI PRO R9700 など) を挙げ、VRAM は 12GB 以上としている。Ryzen AI Max (Strix Halo) は Linux でソースからビルドする実験的な扱いで、v0.1.40 (2026年10月6日) から対応した。

この実測は NVIDIA の GPU で取った値で、495・395 の生成の速さと並べて比べられない。

ここまでの値は Q2_0 のもの。同じ検証環境では同じ Qwen3.8-Flash-Next の IQ3_XXS・IQ3_S・UD-Q4_K_XL も Strata で動かしていて、そのうち UD-Q4_K_XL の値だけをここに載せる。UD-Q4_K_XL はファイルの大きさと3本の線の表にある 111.3GB のファイルで、2026年10月3日に v0.1.35 で、専門家の重みをメインメモリに置いておく量を 48GiB に絞った設定で動かした。48GiB に入らない専門家は、SSD 上の GGUF から OS のファイルキャッシュを通して読む。48GiB はメインメモリの使用量の合計ではなく、ほかの重みや KV キャッシュなどは別にメインメモリを使う。UD-Q4_K_XL の生成は、RTX 5060 Ti 1枚で 13〜25 tok/s、RTX 5080 1枚で 12〜32 tok/s だった。起動1回につき、入力 1K・4K・32K の長さごとに3回測って中央値をとった。3回起動し直したので値は9つあり、その最小〜最大を載せている。思考なし、greedy、生成 256 トークン、コード系の入力 (毎回先頭を変える)、文脈の上限 65,536 トークン、KV キャッシュ int8 という条件は Q2_0 の測定と同じ。OS のファイルキャッシュの状態は回ごとに揃えておらず、揺れの原因は切り分けていない。Q2_0 と UD-Q4_K_XL の生成の速さは、どれも測ったときの版 (Strata は v0.1.31 と v0.1.35、llama.cpp は b11218) のものだ。2026年10月18日に見た時点では Strata v0.1.45 と llama.cpp b11716 (GitHub の表示はプレリリース) が出ているが、これらの版では測り直していない。表のほかのモデル (gpt-oss-120b など) を GPU 1枚とメインメモリで動かしたときの速さは測っていない。測定の条件と結果は「Strataで125BのQwen3.8-Flash-NextをVRAM 12GB・16GBで実測|素のllama.cpp・27B・Claude Codeとも比較」で詳しく説明している。

395の128GBで足りるか、495を待つか

分かれ目は、使いたいファイルが 128GB の総量を超えるかどうか (総量との差が小さく OS などが使う分が残らない場合を含む) と、96GB の線を超えるファイルを Windows で使うかどうかだ。ここでの「下回る」もファイルの大きさだけの比較で、KV キャッシュは含まない。すでに 395 の 128GB 機を持っている場合は (1)〜(3)、これから買う場合は (4)〜(6) も関わる。

  • (1) 96GB の線 (Windows の VGM) を下回るファイルは、線に対する結果が 495 でも同じだ。KV キャッシュなどを足しても 96GB に収まる使い方なら、生成の速さが大きく変わる材料も公表値に無い。線との差が小さいファイル (DeepSeek-V4-Flash-0731 の UD-Q2_K_XL は差 5.8GiB で、AMD の 96GB が10進の GB なら超える) は、長い文脈では KV キャッシュの分で 96GB を超える場合がある。
  • (2) 128GB の総量を超えて 160GB の線 (AMD の値) を下回るファイル (DeepSeek-V4-Flash-0731 の UD-Q4_K_XL・GLM-5.3-Flash の UD-IQ4_XS など) は、395 の 128GB 機には OS にかかわらず置けず、495 で使えるかは 160GB を割り当てる設定次第になる。総量との差が 0.7GiB の DeepSeek-V4-Flash-0731 の UD-IQ4_XS も、OS などが使う分が残らないので、ここに入れて考える。MiniMax-M3 の UD-IQ3_XXS は、AMD の 160GB が10進の GB なら線を超える。どの OS のどの設定で 160GB を割り当てるかは、2026年10月17日に読んだ 495 の製品ページ・10月12日のブログ・Ryzen AI Halo のユーザーガイドでは見つけられず、ブログの脚注にある AMD 自身のテスト (ComfyUI での比較) は VGM 128GB だった。この区分のファイルを使う前提なら、その設定を機種の資料で確かめる必要が残る。160GB の線も超えるファイルは、AMD が示す 495 の専用の割り当て量を超える。ただしこれは、共有メモリを含めて GPU が触れられる量の合計や、Linux での上限とは限らない。そのうち Qwen3.5-397B-A17B の UD-IQ4_XS は 192GB の総量の内側にあり、MiniMax-M3 の UD-IQ4_XS と GLM-5.3 の UD-IQ1_S は 192GB の全部も超える。
  • (3) 96GB の線を超えて 128GB の総量の内側にあるファイル (MiniMax-M2.7 の UD-IQ4_XS など。DeepSeek-V4-Flash-0731 の UD-IQ4_XS は (2) で扱う) は、Windows の VGM で専用に割り当てられる 96GB は超える。AMD の FAQ は、共有メモリを使えるアプリなら 96GB に設定した GPU が合計 112GB まで触れられるとしていて、このファイルがその範囲で動くかは使うソフト次第になる。Linux では、395 でも GPU が使えるメインメモリの上限 (ROCm のドキュメントでいう GTT。Ryzen AI Halo では Developer Center の Shared Video Memory の設定) を増やせる。どこまで増やせるか、そのときの生成の速さは確かめていない。
  • (4) 価格は、同じ GMKtec の日本公式ストアの SSD 2TB の構成どうしで 50万4,840円の差があり、この差額にはメモリ以外の違いも含まれる。容量の面でこの差が関わるのは、(2) のうち 160GB の線を下回るファイルを使う場合、(3) のファイルを Windows で使う場合、(1) のファイルでも KV キャッシュを足すと 96GB を超える使い方をする場合だ。160GB の線も超えるファイルは、495 にしても AMD が示す専用の割り当て量を超えたままになる (共有メモリを含めた合計で足りるかは、(2) のとおり AMD の値からは分からない)。
  • (5) 国内の見通しは、各社のページを見た範囲 (2026年10月17日。CHUWI の日本向けのページは10月18日) では、HP の ZBook Ultra G3a 16 の 192GB が12月の販売開始予定になっている。MINISFORUM の MS-S1 MAX-P495、AMD の Ryzen AI Halo (米国の Micro Center で注文できるとされる)、CHUWI の UniBox AI495 Pro、11月から出荷するとされる Framework Desktop の 192GB は、国内の価格や発売の予定が見つからなかった。
  • (6) 使いたいのが Qwen3.8-Flash-Next なら、VRAM 16GB の NVIDIA の GPU 1枚とメインメモリ 96GB の構成でも Strata で動いた実測がある (「VRAM 16GBのGPUとメインメモリで125BのMoEをQ2_0で動かした実測」)。RTX 5080 1枚での生成は、Q2_0 が 74〜112 tok/s、表の 111.3GB の UD-Q4_K_XL が 12〜32 tok/s (専門家の重みをメインメモリに置く量を 48GiB に絞り、残りを SSD から読む設定。起動ごとの揺れが大きい) だった。表のほかのモデルは、その実測の範囲の外にある。

128GB 級の機種 (GB10・Ryzen AI Max・Mac Studio) を含めて比べて選ぶなら、「ローカルLLM向け大容量メモリ機の選び方|必要容量を満たしたらメモリ帯域を見る」に詳しい。128GB のユニファイドメモリが役立つ条件を GPU 1枚と比べた記事としては、DGX Spark と 16GB の GPU を比べた記事もある。395 を積むミニPCの例は、ONEXStation の疑問を公称値で整理した記事で詳しく扱っている。

この記事で確かめていないこと

  • 495 と 395 の機種で実際にモデルを動かした生成の速さ (どちらも測っていない)
  • 495 で 160GB を GPU に割り当てる具体的な設定 (Windows の VGM の値・Linux の割合)
  • 395 の Linux で GTT の上限をどこまで上げられるか
  • 495 で、共有メモリを含めて GPU が触れられる量の合計と、Linux での上限
  • 各モデルの KV キャッシュの大きさと、長い文脈でファイルと KV キャッシュの合計が3本の線のどこに入るか
  • AMD の 96GB・160GB が10進の GB か2進の GiB か
  • ファイルの大きさと3本の線の表の各ファイルを、llama.cpp の正式版・Ollama・LM Studio で使えるか
  • ファイルの大きさと3本の線の表のファイルを、GPU 1枚とメインメモリで動かしたときの生成の速さ (表の中で測ったのは Qwen3.8-Flash-Next の UD-Q4_K_XL だけ)
  • 量子化を変えたときの答えの質の違い
  • GMKtec の表示価格が税込みかどうか
  • MINISFORUM・AMD・CHUWI・Framework の国内の発売予定
  • Amazon などの販売店での取り扱い

本記事の価格・在庫・ファイルの大きさは2026年10月17日に各社のページと Hugging Face で確認した表示 (CHUWI の日本向けのページは10月18日)。GPU 1枚での実測値は2026年10月1日〜3日の計測 (UD-Q4_K_XL は10月3日)

まとめ

495 と 395 の大きな違いはメモリの最大容量 (128GB から 192GB) と AMD が示す GPU 専用の割り当て量で、メモリの転送速度は約7%上がるだけ、帯域と演算性能はほぼ同じで、生成の速さはどちらの機種でも測っていない。3本の線 (395 の Windows の VGM の 96GB、395 のメモリの総量 128GB、495 の専用の割り当ての 160GB (AMD の値)) とファイルの大きさを比べると、96GB の線も下回るもの、96GB の線を超えて 128GB の総量の内側にあるもの、総量を超えて 160GB の線を下回るもの、160GB の線も超えるものの4つに分かれる。このうち DeepSeek-V4-Flash-0731 の UD-Q2_K_XL が 96GB の線を下回ることと、MiniMax-M3 の UD-IQ3_XXS が 160GB の線を下回ることは、どちらも AMD の値を GiB とみなしたときに限られる。192GB の構成は、2026年10月17日に各社のページを見た範囲では国内で ACEMAGIC と GMKtec が注文を受け付けていて、HP の 192GB は12月の販売開始予定になっている。

参考資料

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